著者
平林 宣和 劉 文兵
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

本研究においては、「文革期のプロパガンダ演劇における社会主義的近代性」に着目し、身体、ジェンダー、プロパガンダといった観点から、文革時代の中国のプロパガンダ演劇を考察することにより、そこに内包された社会主義的近代性の独自性を明らかにした。その成果として、劉文兵が2006年6月の日本舞踊学会、および同年8月開催の「早稲田大學演劇博物館21世紀COE研究発表会」において研究発表をおこなった。また同時に、映画メディアと文革の関係に注目、文革時代から文革終焉直後にいたるまでの映画表象の歴史的変遷を、2006年8月に上梓された『中国10億人の日本映画熱愛史』(集英社新書)、そして表象学会の学会誌掲載予定の論文「忘却への欲望トラウマの回帰--中国映画における文革の表象」において検証した。さらに、文革期から文革終焉直後にかけての中国の映画製作を概観する「政治と表象」という構想のもと、単著の書籍を執筆している(すでに作品社の2007年度刊行の学術書としてラインナップされている)。一方、早稲田大学演劇博物館「21世紀COE演劇の総合的研究と演劇の確立」のプログラムの一環としてアーカイブの作成に従事し、1960年代初頭から70年代後半までの『人民日報』『文匯報』のデータベースを構築した。そのほか、中国映画の巨匠である張芸謀監督、謝晋監督、賈樟柯監督にたいするインタビューをも重点的におこない、それに基づいた学術論文やインタビュー記事をも執筆している。
著者
劉 文兵
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

戦後の日中映画交流に携わった、日中の映画人へのインタヴューに基づいた実証的な作業を行いつつ、日本映画が中国映画に与えた影響や、中国映画に現れた日本人のイメージなどについて考察してきた。本研究の研究成果を、著書の出版や、学術論文の執筆、学会発表をつうじて社会・国民に広く発信することができた。