- 著者
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富澤 晃文
力武 正浩
伏木 宏彰
坂田 英明
加我 君孝
- 出版者
- 一般社団法人 日本聴覚医学会
- 雑誌
- AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.1, pp.43-52, 2017-02-28 (Released:2017-06-29)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
1
要旨: 聴覚障害乳児における VRA の条件付け形成月齢を明らかにすることを目的とした検討を行った。中等度~重度難聴の20名を対象に, インサートイヤホン装着下の気導 VRA (および骨導 VRA) による純音聴力測定を実施した結果, 月齢 6 ~ 11ヵ月の期間に19名 (95%) の条件付けが形成された。VRA の測定可能率は, 0 歳 6 ヵ月時点で 1名 (5%), 7 ヵ月で 5名 (25%), 8 ヵ月で 11名 (55%), 9 ヵ月で14名 (70%), 10 ヵ月で 18名 (90%) であった。気導 VRA の反応閾値 (2000Hz) と ABR の V 波閾値の間には強い正の相関 (r = 0.87) がみられ, 両者は近似した。VRA の平均反応閾値と条件付け形成月齢の間にはやや強い正の相関 (r = 0.58) がみられ, 聴力の程度が増すほど条件付け形成月齢が遅れる傾向が示された。一方, 運動発達 (定頸, 座位, 独歩) の遅れは条件付け形成月齢に有意な遅れをもたらさなかった。早期の聴覚補償とハビリテーションの上では, 0歳後半の月齢期に気導/骨導 VRA を重点的に実施した上で他覚的検査とのクロスチェックを行うことが重要と考えられる。