著者
岡市 直人 佐々木 久幸 加納 正規 河北 真宏 苗村 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.125-130, 2021 (Released:2020-12-25)
参考文献数
16

視点追従技術および従来設計より焦点距離の長いレンズアレーを用いて,広い視域と高い映像品質をもつ個人視聴に適したインテグラル3D映像表示システムを提案する.レンズアレーを回転させて水平・垂直方向の光学視域の比率を変化させる手法,瞳位置に応じた要素画像を高速に生成する手法,および視距離に応じて視域を最適化する手法を用いて,試作装置を構築した.従来設計と提案設計の試作装置において比較実験を行い,視点追従により視域が水平方向は2.9倍の81.4゜,垂直方向は1.7倍の47.6゜に拡大し,レンズアレーの焦点距離を2倍にしたことにより映像品質が向上したことを確認した.薄型かつ軽量のディスプレーを用いることによって,人がディスプレーを直接手に持ってインテグラル3D映像を楽しむことができるコンパクトな構成のシステムを実現した.
著者
久富 健介 加納 正規 池谷 健佑 片山 美和 三科 智之 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.51 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2014-12-05 (Released:2017-09-22)

本稿は,1台の赤外線プロジェクタと2台の赤外線カラーカメラで構成されたカメラアレーを用いて,被写体の奥行きを推定する手法を提案する.プロジェクタは赤外線のドットパターンを照射し,赤外線カラーカメラは,パターンが投影された赤外線画像とパターンのないカラー画像を同時に撮影する.奥行きは,赤外線ステレオ画像から生成したCost volumeに対して,Cross-based Local Multipoint Filter (CLMF)によるCost volume filteringで処理した上で推定する.この際,カラー画像はCost volume filtering処理のガイド画像として用いる.また,視差値を選択する際に,水平ライン毎のグラフカット処理を導入することにより,ベースラインの長いステレオ画像からの奥行き推定を安定化した.実空間で撮影した画像から奥行きを推定する実験を行い,提案手法の有効性を示す.