著者
福島 悠介 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.J255-J261, 2016 (Released:2016-10-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本稿では,テレビドラマを対象とし,放送局や時間帯といった基本的な情報に加え,出演する役者や関わったスタッフ,そして役者の話題性を用いた視聴率の予測を行う.ドラマの映像や音声は用いず,放送前に得られる情報のみから視聴率を予測すること,そして視聴率に影響を与える要因を明らかにすることが目的である.我々の作成した678本のドラマからなるデータセットに対して,サポートベクター回帰とランダムフォレストの二つのモデルを適用し,初回視聴率の予測を行った.実際の視聴率と予測した視聴率との相関はr=0.843と高い値,平均絶対誤差は1.93%と小さいことを確認した.また,ドラマに関わる各要素のうち,特に視聴率に強く影響する要因とその影響の度合いを明らかにすると共に,本手法がうまく働く場合と働かない場合に関して具体的なドラマ名を挙げた考察を行った.
著者
大渕 友暉 山崎 俊彦 相澤 清晴 鳥海 哲史 林 幹久
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

定性的にしか語られなかった不動産物件の快適度の定量化を目指す. 温度, 湿度, 明るさ, におい, 振動, 騒音, 物件の前の人通りを快適度の要因として定義し, それらをまとめてかつリアルタイムに計測できるIoTセンサを実装した. 実際にあるマンション物件で計測を行い, 高層階と低層階の日当たりや窓のある部屋と窓のない部屋の室温の違いなど, 同じ建物でも部屋ごとで快適度に違いがあることを示した.
著者
相澤 清晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.592-597, 2009-07-15
被引用文献数
11

筆者らは,画像だけで食事のログとりを行う食事ログシステムを研究しており,Web化して一般に利用できる食事ログも構築している.楽に継続してログ取得のできる仕組み作りを,食事という限定した応用に対して進めている.衣食住というように,食は生活の最も基本的な要素であり,食事ログから健康,コミュニティさまざまな応用も考えられる.ライフログの現状と展望についても論じたい.
著者
山田 万太郎 汪 雪婷 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3N4J1003, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究の目的は,不動産間取り図をその間取りを反映したグラフ構造に自動で変換することである.それには,深層学習によるsemantic segmentationを行うことで画像中の各部屋やドアを認識し,それらの隣接関係をもとにグラフ構造を作成するという手法でグラフ化を行う.この提案手法により,正解グラフと81%の類似度を持つグラフに変換できることを確認した.さらには,自動変換したグラフを用いて実際に類似間取り検索への応用を示した.間取り図をグラフ構造という構造化された表現に変換することで,間取りの比較や評価,さらには検索が容易になり,間取りを扱うあらゆるシステムへの応用が期待される.
著者
松嵜 直幸 原澤 賢充 繁桝 博昭 森田 寿哉 伊藤 崇之 齊藤 隆弘 佐藤 隆夫 相澤 清晴 北崎 充晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.41-44, 2010-03-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
5

This paper investigated the effects of active/passive viewing on the visually induced motion sickness. Participants wearing a Head-Mount-Display (HMD) searched a target character in random dots and other characters projected on a screen using a video camera moved by them (active viewing). They could see a part of the screen and the movies displayed via the HMD were recorded. When they saw the recorded movie later (passive viewing) through the HMD, they felt motion sickness worth than before. This suggests that passive viewing induced severer motion sickness than active viewing.
著者
相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.738, pp.1-9, 2004-03-12
被引用文献数
12

日常生活、体験のデジタル化が本研究の課題である.一生分の体験ログを映像として残すことができるだろうか.圧縮技術、HDDなどの蓄積技術の進歩や小型でウエアラブルになってきた情報機器の進展もあり、ハードウエアの壁は低くなっている.しかしながら、かりに長期間の体験映像を残せたとしても、膨大に残してしまったものの中からどのように欲しい映像をとってくるのだろうか?現在のホームビデオですらお蔵入りして目に触れることは少ない.欲しいところへ効率よくアクセスするための方策が必要である.通常の映像検索では、コンテンツに基づく検索が盛んに検討されている.これに対し、体験記録の場合、コンテンツよりも状況を表すコンテキストが役に立つ.このため、カメラばかりでなく、GPS、動きセンサ等々を用いる.街情報も併せてもちいるとキーワードの付与されていない映像を店の名前などのキーワードで探すこともできる.本発表では、我々の試みを紹介したい.また、体験記録の観点から関連する研究を概観する.
著者
石島 健一郎 相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.565, pp.85-92, 2001-01-11
被引用文献数
2

著者らは, センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み、ウェアラブルなビデオ機器により個人の人生をそのまま記録することが可能になると考えており、映像と同期して記録した脳波を解析することで精度良く興味映像を抽出しうる手法を提案してきた。本稿では、脳波の時系列特性に基づいた解析手法により、意味のあるまとまりとしてのシーンを生成しうることを示す。
著者
石島 健一郎 椎名 誠 相澤 清晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.181, pp.51-58, 2000-07-06
被引用文献数
5

著者らは、センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み、ウェアラブルなビデオ機器により個人の人生をそのまま記録することが可能になると考えている。本稿では、このウェアラブル機器で記録した個人体験映像の要約と構造化について論じる。特に、映像と同期記録した脳波による要約実験を示し、精度良く興味映像を抽出しうる事を示す。
著者
坪田 亘記 相澤 清晴
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

トーン貼りは漫画制作における工程の一つであり,トーン貼りの自動化には需要がある.本研究では,漫画のキャラクターの自動でのトーン貼りに取り組む.トーンには特有のパターンがあるため,トーン貼りは難しい.L1 lossや perceptual lossと組み合わせるような通常のconditonal generative adversarial network (cGAN) では,トーンのパターンの学習は難しい.トーンのパターンを考慮したトーン貼りを実現するため,我々はcGANにトーン特徴量を用いた損失関数を導入する.トーン特徴量を用いた損失関数は,目標の画像と生成画像のトーン特徴量間の距離を計算したものである.Manga109に登場する2人のキャラクターについて実験を行い,提案手法がベースラインの手法よりも同等以上に見た目が良い結果になることを示した.
著者
松本 大輝 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴 片桐 孝憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-6, 2014-08-25

イラストは身近な表現手段であり,近年では,pixiv といったイラスト投稿 SNS サイトで多くのイラストが共有・閲覧されている.しかし,イラストの検索方法や表示方法にはあまり注視されていないというのが現状である.そこで,本稿では,著者の画風の類似性に基づいてイラストを平面上にマッピングし可視化する手法を提案する.これにより,ユーザは好みのイラストに似た画風のイラストを一度に複数閲覧することができ,より効率よくイラストを閲覧することができる.Illustration is a common way of communication. A lot of illustrations are uploaded, shared and viewed on illustration-sharing SNSs such as pixiv. However, how to retrieve and display illustrations has received relatively sparse attention. We propose a method of visualizing illustrations based on drawing style similarity of authors. By using this method, users can see illustrations which have similar drawing styles to their favorite one at a time and enjoy seeing illustrations more efficiently and effectively in illustration-sharing SNSs.
著者
山崎 俊彦 アンドリュー ギャラガー ツーハン チェン 相澤 清晴
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.9, pp.1437-1444, 2014-09-01

近年,SNSにアップロードされた大量のジオタグ(位置情報)を用いた処理が盛んに研究されている.旅行推薦はその代表的なものであり,特に都市内旅行推薦の研究が数多く進められてきた.都市内推薦とは,ある都市で旅行しているとき,その時点までの旅行履歴を元に今後の訪問地を推薦するものである.これまで,トピックモデルを用いた推薦や年齢・性別・人種などの属性に応じた推薦などが提案されている.本論文では,季節・時間帯を考慮にいれた都市内旅行推薦方式を提案する.推薦では,ベイズの定理を用いて季節と時間帯による旅行ルートの人気の違いを表現し,マルコフモデルに組み入れることにより高精度な推薦を実現する.ベイズの定理に基づく旅行推薦手法は,これまでも幾つか提案されており,本手法はそれらの手法と組み合わせて用いることが原理的に可能である.提案手法の妥当性は,世界21の都市・公園で撮られた620万枚のジオタグ付き写真を用いた実験により確認した.
著者
相澤 清晴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.445-448, 2009-04-01
被引用文献数
7 2

何らかの電子的な手段で日常生活の有り様,活動をライフログとして取得することで,体験のディジタル化とアーカイブ化の道が開ける.そのようなディジタル体験ログを残すことで,今まで何気なく過ごし,見落としたり,忘れたりしてきた情報を活用することが可能になる.本稿では,ライフログに関してその概要を述べるとともに,われわれが進めてきた研究のうち,汎用目的指向のユビキタスホームでのライフログと特定応用指向の食事ログについて紹介する.また,現在,特定応用に特化したライフログは,さまざまなWebアプリケーションとして身近なところで始まっている.どのようにライフログの展望を描けばいいのかについても論じたい.
著者
相澤 清晴 馬場口 登
雑誌
研究報告 オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.1-1, 2012-02-16

ACM マルチメディア国際会議 (ACM Multimedia) が 2012 年 10 月 29 日~11 月 2 日の日程で奈良新公会堂にて開催される.今年,この会議が 1993 年に始まって,ちょうど開催 20 周年にあたる記念すべき年でもある.この会議は,ACM SIG-MM のフラッグシップ会議であり,マルチメディア分野での最も重要な学術会議である.近年のマルチメディア国際会議の動向,特に,昨年米国で開かれた ACMMultimedia2011 の状況などを織り交ぜて,本会議に関する紹介を行う.日本での Multimedia 2012 におけるプログラムの特徴などについても紹介する.ACM Multimedia 2012 is held from Oct.29 to Nov.2, 2012 at Nara Prefecture New Public Hall. This year we celebrate 20th Anniversary of the conference since it started 1993. It is the flagship conference of ACM SIG-MM and it is the premier conference in the field of multimedia. In this talk, recent trend of this conference is introduced.
著者
大塚 康弘 相澤 清晴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.53, pp.43-49, 2000-09-22

生体のイメージセンサに相当する網膜では, 中心視から周辺にいくに従い解像度が低くなる.これを適用したイメージセンサシステムでは, 全体として広い視野を確保できると同時に, 特定の領域について精細な情報を取得し積極的に処理できる.そこで, 筆者らはシステム統合を踏まえ, サンプリング制御機能を搭載したスマートセンサを提案, 試作した.その機能は平滑化を行わない間引処理のみゆえ, 解像度の有効な制御が行えなかった.そこで, 有効な解像度制御手段を提供するセンサを検討した.本報告では, プログラマブルな多重解像度出力を可能とする新しい高機能イメージセンサについて論ずる.
著者
相澤 清晴 荒川 佳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.368-371, 2010-05-01

本稿では,現状のHDTVをはるかに超える精ちさで映像表現を行うことのできる超高精細映像へ期待を述べるとともに,超高精細映像である4K映像,8K映像の技術動向について触れる.更に,URCFを基盤に行った4K映像を用いたその応用実験の事例について,2009年7月の皆既日食の撮影伝送実験,同じく10月の手話講演伝送実験について紹介する.
著者
藤本 東 小川 徹 山本 和慶 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.05 マルチメディアストレージ/コンシューマエレクトロニクス/ヒューマンインフォメーション/メディア工学/映像表現&コンピューターグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.35-40, 2017 (Released:2021-05-12)
参考文献数
6

我々は Manga109という 109冊分の漫画画像を収めた学術利用可能なデータセットを構築した.このデータセットは高品質かつ多様な漫画画像を含んでいるが,メタデータを持たないため機械学習や手法間の比較等の用途にそのまま使うことができなかった.本研究では「コマ」「テキスト」「キャラクター」の 3つの要素についてメタデータを構築する.さらにこのメタデータについての解析を行い,著者やジャンル等について特徴を抽出できる可能性があることを示す.
著者
相澤 清晴
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-23, no.6, pp.1, 2019-10-31

毎日の食事をマルチメディアデータとして記録し活用する技術基盤として,著者らは FoodLog というシステムを開発 ・構築してきた.食事を記録するツールは数多くあるものの,テキストで入力し,テキストを残すものがほとんどであり,入力のための手間がかかるとともに,記録が一目でわかる直感的なものからはほど遠い.FoodLog は画像による記録を行う先駆けとしてのツールであった.入力の手間も,画像認識による入力の支援によって軽減された.当初は,Web ベースのシステム (2008),つぎにスマートフォンベースのアプリ (2013) となり,現在に至っている.foo.log (株) という組織を作り,アプリを一般利用に提供し,これまで 1000 万件を越える食事記録を収集している.その FoodLog プラットフォームは,食事画像認識やデータベースが API を介して利用可能に整備されている.収集データから,全体の食事の傾向,個人の食事の傾向,年月にわたる推移を可視化することもできる.2018 年末には,我々の研究室で,新たに FoodLog Athl というアプリを構築した.FoodLog の API を活用し,食事記録を支援するとともに,そのモニタを行う管理栄養士のツールを作り,両者のコミュニケーションを支援する.東大のアメフト部の強化選手の栄養管理 (ドーム(株)が栄養管理を実施) において利用が行われ,モニタの仕組みまで近く公開する予定である.本講演では,この FoodLog の一連の取り組みと,最新の FoodLog Athについて紹介する.
著者
小川 徹 山崎 俊彦 相澤 清晴
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.221-222, 2016-03-10

本研究ではイラスト制作の工程におけるラフ画像から線画をおこす手順を自動化することを目的とする.現在イラスト制作の各工程はイラストレータが手作業で行うのが一般的であるが,ラフ画像を線画にする工程は機械的な作業が多く,画像処理技術による効率化が期待できる.主な処理はラフ画像に含まれている線を統合し線画の線を生成することであり,ここでいかにラフ画像に含まれる線をクラスタリングするかが課題となる.既存の研究では角度や相対位置といった線の局所的な特徴量をもとにクラスタリングを行うものが多いが,統合が不十分あるいは不必要に統合されてしまう問題があった.本研究ではイラストレータによるラフ画像と線画のペアをもとに機械学習を行い,適切なクラスタリングを行うことを目指す.