著者
加藤 勉 田中 淳夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.147, pp.33-41, 72, 1968-05-30
被引用文献数
2

引張接合部には一般にファスナーの種類に関係なく被接合部の変形に起因する所謂テコ作用が働く。この論文はSplit Tee形式高力ボルト引張接合部に生じるテコ作用の実体を純引張試験によって実験的に調べたものである。ここではボルトがTeeウェブの両側に各一列ずつ配された場合のみを取扱う。テコ作用の大きさを支配する因子としてTeeフランジの板厚, Teeウェブ(外力作用位置)とボルトとの距離, ボルト位置からTeeフランジ外端までの距離, の三つに着目した。実験結果の解析によりテコ作用を予知するための実験式が提案される。
著者
加藤 勉
出版者
東京昆蟲學會
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-38, 1968

1960∿1963年の3年余にわたり, 福岡市のマサキの生垣に発生したL. corniとC. japonicusを中心とするカイガラムシ類の消長とそれらを捕食するヒメアカホシテントウの活動状況についての調査を行なつた.その結果, この生垣においてはヒメアカホシテントウは秋から春にかけてはL. corniをはじめChr. bifasciculatus, U. euonymi, Pseudococcus sp.などを捕食し, 夏にはC. japonicusを捕食して年間を通して同一場所で活動することが明らかとなつた.また, polyphagousな天敵であるヒメアカホシテントウは時期的に巧みに適餌を転換して, 大発生したL. corniやC. japonicusの個体群密度の低下に大きな役割を果し, polyphagousな天敵の利点を最大に発揮してその有効性を実証した.なお, ヒメアカホシテントウの寄生蜂であるアシガルコバチは成育期間は前者より短いが発生時期が遅く, 夏期におけるヒメアカホシテントウの活動を阻害する大きな要因とはならなかつた.