- 著者
-
加藤 壮一郎
水島 治郎
嶋内 健
- 出版者
- 一般財団法人 住総研
- 雑誌
- 住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, pp.165-176, 2019 (Released:2019-05-01)
2010年10月デンマーク政府は非西欧圏移民の居住率が 50%を超え,生産者人口(18~65歳)の40%以上が失業し,18歳以上の地区住民の犯罪率が2.7%を超える29か所の社会住宅地区を,「ゲットー(Ghetto)」と定義した。1950年代以降,全国の主要都市郊外に建設された社会住宅地区では,1970年代以降,移民・難民が集住するゲットーゼーション (Ghettoisation)が起こった。1990年代以降これらの社会住宅地区での貧困化,治安悪化,犯罪などが多発している。本稿では,デンマークの社会住宅地区におけるゲットーゼーションに注目し,ゲットーがどのように形成されたかを主に移 民・難民,住宅政策のアプローチから考察する。