著者
村田 晃 小林 千恵 神田 康三 加藤 富民雄 原田 嘉文
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.573-578, 2000-12-25 (Released:2017-12-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In urine the vitamin C values obtained by using the α,α'-dipyridyl method were often elevated due to urinary reducing substances. Ascorbate oxidase is highly specific for oxidizing vitamin C. An improved method using ascotbate oxidase is described for the determination of urinary vitamin C. The method is specific, sensitive and reproducible, and it is also rapid and simple enough for many measurements. Using the method the urinary vitamin C was determined for 176 male students, 61 female students, 352 male staff members and 81 female staff members of our university. There was little difference in overall frequency distribution of vitamin C values in the four groups. However, somewhat lower vitamin C levels were found in students compared with staff members, and in male groups compared with female groups.
著者
村田 晃 佐本 將彦 深田 久成 和泉 徹治 山口 義己 加藤 富民雄 近藤 道男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.695-702, 1984
被引用文献数
1

2つの&epsilon;-アミノ基の間を-(CH<sub>2</sub>)<sub>n</sub>-で伸長した2官能性リジン誘導体のファージ不活化作用の機序を明らかにする一助として,トリデカンジオイル-リジンエチルエステル(11)のJ1ファージに対する不活化作用について研究し,次のことがわかった.<br>金属キレート剤,中性アミノ酸,リボース,デオキシリボース,リン酸塩,塩基,およびヌクレオシドは, 11によるファージ不活化にほとんど影響を及ぼさない.これに対して,金属イオン,塩基性アミノ酸,酸性アミノ酸およびヌクレオチドは,不活化を阻害する.ファージDNAおよび仔ウシ胸腺DNAは, 11と相互作用する.<br>これらのことから, 11の&epsilon;-アミノ基とDNAのリン酸基との相互作用が,ファージ不活化に関係していると考えられた.<br>このことは,アゼラオイル-リジンエチルエステル(7),ヘプタデカンジオイル-リジンエチルエステル(15),およびエイコサンジオイル-リジンエチルエステル(18)についても確かめられた.<br>なお,不活化ファージと活性ファージの間で,密度および形態に差異は認められなかった.
著者
村田 晃 大嶋 一夫 横尾 金浩 加藤 富民雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.1045-1051, 1985 (Released:2008-11-21)
参考文献数
21

AsAによるJ1ファージ不活化に対するアミノ酸の促進作用の機序について研究し,次のことがわかった. (1) この不活化促進作用に関与するアミノ酸の官能基は, α位のアミノ基とカルボキシル基である. (2) AsAとグリシンによるファージ不活化は,分子状酸素が存在しAsAが自動酸化される条件下で起こる. (3) この不活化に関与するのは, AsAの自動酸化に伴って生成する酸素ラジカルである.すなわち,不活化反応にフリーラジカル反応機構が関与している. (4) 酸素ラジカルのうち,ファージに直接作用するのは,主としてOHである. (5) OHの作用を受けたファージでは, DNAの1本鎖切断が起こっていると考えられる. (6) AsAの自動酸化がグリシンによって促進される. (7) 以上のことから, AsAによるファージ不活化に対するアミノ酸の促進作用は,分子状酸素によるAsAの自動酸化がアミノ酸によって促進されることによって,酸素ラジカルであるOHの生成量が増大し,そのためにAsAによるファージ不活化(DNA鎖切断)が促進されることであると結論できる.