著者
藤野 武彦 村田 晃 宇都宮 弘子 森田 ケイ 武谷 溶
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-64, 1983-03-30
被引用文献数
1

Effects of ascorbic acid on common cold and influenza were studied in 352 young students from 1978 to 1980. Ascorbic acid was administered by the following manner ; 6g per day (1g every hour) on 1st day, 4g per day (1 g at each meal and before sleep) on 2nd to 4th day, 2g per day (1g in the morning and the evening) on 5th to 7th day, Ascorbic acid values in plasma were measured in the part of subjects during and after cold, and in the healthy students. A question, whether the ascorbic acid was effective or not, was asked to the subjects after the treatment. The answers of "effective", "fairly effective" and "not effective" were 59.6%, 31.6% and 8.8%, respectively in 1978 to 1979, 47.1%, 42.6%, and 10.3% in 1979 to 1980. Plasma level of ascorbic acid was lower in the subjects during the cold than in the healthy students who did not have a cold for 4 years. The seven of subjects showed the lower level of ascorbic acid during cold than after recovery. These results are suggestive of effectiveness of ascorbic acid on common cold.
著者
村田 晃嗣 阿川 尚之 小島 誠二 中谷 直司 山口 航
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

グローバル化を背景として、国際政治における都市をめぐる外交の重要性が増している。本研究は、「都市からの外交」と「都市への外交」の2つの方向を軸として、①自律的プレイヤーとしての都市による外交の実態を把握し、②都市外交研究の基盤となる分析枠組を構築し、③国家を始めとする他のアクターとの相互作用を分析し、「都市」が世界政治で果たしつつある役割を明らかにしていくことを目指した。都市をめぐる外交を2つの方向から事例を研究し、都市の経済活動の結果ではなく、世界政治の構成要素としての「都市外交」研究を目標にした。本年度は、これまでの成果を踏まえた上で、「世界政治における都市外交」(潜在的役割の評価と政策提言)について研究を進めた。都市が今後「世界政治」のなかで発揮すべき役割について、検討をしていった。とくに①新しい「国際規範」の発信者としての都市と、②国連や地域機構と協力して紛争後地域の「平和構築」に貢献する都市の姿に着目をした。①については、国家主権の制限に必ずしもしばられない都市が、規範(新たな理念)の意識的な発信者として行動を活発化させれば、すでに実績があるNGOや多国籍企業を上回る影響力を発揮することが可能ではないかと予測した。②については、停戦監視や武装解除の初期段階ではなく、その後の自治機構の整備や地域コミュニティーの安定化に、都市が組織的に関与できる「国際制度」の構築を想定した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による国内外の情勢に影響を受けたため、国内外での資料の収集や、研究メンバーによる機動的な行動が困難となり、研究に遅れが生じた。
著者
村田 晃 白浦 義則
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.65-72, 1973
被引用文献数
3

食品防腐剤であるパラオキシ安息香酸のアルキルエステルが, J1ファージ感染<i>L. casei</i>菌細胞の早期溶菌を誘起することを見い出した.この早期溶菌は,感染初期に添加されたときでも生起した,早期溶菌誘起作用力は, iso-ブチル><i>n</i>-ブチル><i>n</i>-プロビル>iso-プロビル>エチルの順であった.エステル化されていない遊離のパラオキシ安息香酸は,この作絹を有しなかった.<br> 早期溶菌は,ファージ感染による菌細胞膜の透過性の変化に起因するものであって,感染後に合成されるファージェンドリジンは,関与していないことが示された.<br> 早期溶菌が起こる条件下で,遊離ファージは不活性化されなかった.種々検討して,細胞内ファージ定量のための条件を設定した.<br> パラオキシ安息香酸エステルの菌生育,菌生体高分子生合成,遊離ファージ,ファージ吸着およびファージ増殖に対する影響について検した結果も合わせ記述した.
著者
村田 晃 平田 祥子 松岡 昌義 日比 善朗 柏原 俊夫 北森 信之 玉井 浩 美濃 真
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5-6, pp.285-294, 1990-06-25 (Released:2018-03-17)

Two multipore-type sustained-release preparations (VC-SR-A and VC-SR-B) containing 500 mg of vitamin C were prepared, which were coated with mixtures of water-soluble polyethylene glycol and insoluble ethylcellulose. The preparations differed in the dissolution profile of vitamin C; the in vitro release rates being 7.3 %/h for VC-SR-A and 14.2 %/h for VC-SR-B. The bioavailability of vitamin C after the administration of a single dose was examined in six subjests (25-32 years) who had been saturated with vitamin C, and compared with an osmorelease-type sustained-release preparation (AcuSystem C) and a conventional immediate-release preparation (VC-IR) in a crossover trial. The mean T_<max> was 3 h for VC-IR, 6 h for VC-SR-B, 7 h for VC-SR-A and 8.5 h for AcuSystem C. Mean C_<max> (mg/100ml) were 0.28 for VC-SR-A, 0.40 for AcuSystem C, 0.48 for VC-SR-B and 0.74 for VC-IR. The mean AUC (mg.h/100 ml, 0-24 h) was 3.43 for VC-SR-A, 5.73 for AcuSystem C, 6.68 for VC-SR-B and 6.80 for VC-IR. The mean percentages of the dose excreted in the 24-h urine were 7.7 for VC-SR-A, 17.6 for AcuSystem, 23.4 for VC-SR-B and 39.1 for VC-IR. The results indicate that for VC-SR-B the rate of bioavailability is slower but prolonged and thus the extent of bioavailability is almost equal to that of VC-IR. Also, concerning retention of vitamin C in the body, VC-SR-B seems to be preferable to VC-IR.
著者
村田 晃 小林 千恵 神田 康三 加藤 富民雄 原田 嘉文
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.573-578, 2000-12-25 (Released:2017-12-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In urine the vitamin C values obtained by using the α,α'-dipyridyl method were often elevated due to urinary reducing substances. Ascorbate oxidase is highly specific for oxidizing vitamin C. An improved method using ascotbate oxidase is described for the determination of urinary vitamin C. The method is specific, sensitive and reproducible, and it is also rapid and simple enough for many measurements. Using the method the urinary vitamin C was determined for 176 male students, 61 female students, 352 male staff members and 81 female staff members of our university. There was little difference in overall frequency distribution of vitamin C values in the four groups. However, somewhat lower vitamin C levels were found in students compared with staff members, and in male groups compared with female groups.
著者
村田 晃
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1843-1845, 1990-12-15 (Released:2008-11-21)
参考文献数
17
被引用文献数
5 4
著者
村田 晃 佐本 將彦 深田 久成 和泉 徹治 山口 義己 加藤 富民雄 近藤 道男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.695-702, 1984
被引用文献数
1

2つの&epsilon;-アミノ基の間を-(CH<sub>2</sub>)<sub>n</sub>-で伸長した2官能性リジン誘導体のファージ不活化作用の機序を明らかにする一助として,トリデカンジオイル-リジンエチルエステル(11)のJ1ファージに対する不活化作用について研究し,次のことがわかった.<br>金属キレート剤,中性アミノ酸,リボース,デオキシリボース,リン酸塩,塩基,およびヌクレオシドは, 11によるファージ不活化にほとんど影響を及ぼさない.これに対して,金属イオン,塩基性アミノ酸,酸性アミノ酸およびヌクレオチドは,不活化を阻害する.ファージDNAおよび仔ウシ胸腺DNAは, 11と相互作用する.<br>これらのことから, 11の&epsilon;-アミノ基とDNAのリン酸基との相互作用が,ファージ不活化に関係していると考えられた.<br>このことは,アゼラオイル-リジンエチルエステル(7),ヘプタデカンジオイル-リジンエチルエステル(15),およびエイコサンジオイル-リジンエチルエステル(18)についても確かめられた.<br>なお,不活化ファージと活性ファージの間で,密度および形態に差異は認められなかった.
著者
村田 晃 辻正 信 添田 栄一 猿野 琳次郎 桜井 稔三
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.35-44, 1972

<i>L. casei</i>のJ1ファージの増殖機構究明の一手段として,宿主菌のDNA合成を特異的に阻害するマイトマイシンCを阻害剤として用い,この阻害剤のファージ増殖阻害の機作について研究した.まず,マイトマイシンCが, J1ファージの増殖を阻害することを確認した.マイトマイシンCは,遊離ファージを不活性化せず,吸着, DNA注入も阻害しなかった.一方,マイトマイシンC存在下で,ファージDNAの複製, serum-blocking powerを有するファージタンパク質,ファージエンドリジンの合成はみられなかった.放射線生物学的研究,およびマイトマイシンC・パルス実験は,初期の増殖段階がマイトマイシンCにより阻害されることを示した.<br>以上およびその他の実験結果,ならびにマイトマイシンCの一般知見とから,マイトマイシンCのJ1ファージ増殖阻害の機作は,菌細胞内に注入されたファージDNAが,マイトマイシンCの作用を被り,分子内にクロスリンクを形成することに基づくもので,このために子ファージDNA複製のプライマーとしての活性を喪失し,ファージDNAの複製がブロックされるためと考えられた.<br>なお,比較的低濃度のマイトマイシンCを<i>L. casei</i>S-1菌株に作用させると,処理一定時間後に溶菌が誘起されることが示された.電子顕微鏡観察は,溶菌液中にファージ粒子の存在することを示した.さらに,この粒子の感染性も,プラークを形成する感受性菌株を見い出し証明した.これらの結果は, L. casei S-1菌株は溶原菌であることを示し,また溶菌誘起はファージの増殖が,マイトマイシンCによって誘発されたためであることを示した.