著者
東野 哲也 加藤 栄司 森満 保
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.33-37, 1995-02-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

剣道による聴覚障害 (仮称, 剣道難聴) の実態を明らかにするために一高等学校剣道部員33名を対象として純音聴力検査を行った。その結果33人中10人 (30%) に種々の程度の閾値異常を認め, 男子生徒に, また高学年ほどその頻度が高かった。中でも2kHzまたは4kHzのdip型が「剣道難聴」の初期聴力像と推定され, さらに2, 4kHz障害型や2, 4, 8kHz障害型感音難聴に進行した段階で難聴を自覚するものと考えられた。4kHz-dipよりも2kHz-dip型感音難聴を多数認めたことより, 音響のみでなく打撲による内耳へのより直達的な衝撃がその成因に関与するものと推定された。
著者
加藤 栄司 東野 哲也 森満 保
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5Supplement2, pp.761-765, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

過去5年間に当科外来を受診し, 原因を特定できない感音難聴506症例のなかに剣道有段者13例が含まれていた. オージオグラムを検討した結果, 閾値異常を示した25耳の中に, 4kHz-dip型6耳 (24%) と全く同数の2kHz-dip型聴力像を示す感音難聴が含まれていた. また, 2, 4kHz障害型5耳 (20%), 2, 4, 8kHz障害型6耳 (24%) 認めたことより, 剣道による感音難聴が2kHz-dip型と4kHz-dip型に由来する聴力障害が複合した形で進行するものと推定された.同対象感音難聴症例506例のオージオグラムの中から2kHz-dip型聴力像または2, 4kHz障害型オージオグラムを抽出すると, 2kHz-dip型が43耳, 2, 4kHz障害型が18耳認められた. これらの症例の中に難聴の原因としての頭部外傷が明らかな例は認められないが, 問診上, 剣道, 交通外傷, 衝突, 殴打, 転倒などによる頭部打撲の既往があるものが半数以上を占めた.以上の結果より, 剣道による2kHz-dip型感音難聴発症の機序として竹刀による頭部の強い衝撃が関与していることが示唆された.
著者
松浦 伸郎 加藤 栄司 小松 良治 山本 正士
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.470-476, 1986-11-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1

細菌性髄膜炎は無菌性髄膜炎と比べ, 髄液の乳酸脱水素酵素 (CSF-LDH) 活性が上昇し, 髄液glutamic oxaloacetate transaminase (CSF-GOT) 活性も上昇する.著者らはCSF-LDH, CSF-GOTがともに細菌性髄膜炎の鑑別診断に役立つこと, また起炎菌を確認した細菌性髄膜炎の髄液中のラテックス凝集法によるC反応性蛋白 (CSF-CRP) が細菌性髄膜炎の診断に有用であることを述べた.
著者
東野 哲也 加藤 栄司 森満 保
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.33-37, 1995-02-28
被引用文献数
9