- 著者
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渡邉 信
中嶋 信美
河地 正伸
彼谷 邦光
加藤 美砂子
宮下 英明
白岩 善博
- 出版者
- 筑波大学
- 雑誌
- 基盤研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 2007
本研究は将来のBotryococcusを用いた石油代替資源開発に資するため、Botryococcus炭化水素生産代謝経路の生合成経路やその調節機構並びに大量増殖機構に関わる生物学的・化学的研究を行った。その結果、1)鉄成分が細胞やコロニーの形状、そしてオイル生産に与える影響が大きいこと、2)Botryococcusの63株の生産する主要炭化水素は直鎖アルケン型(race A)、トリテルペン型(race B)、テトラテルペン型(Race L)および上記3つの型のいずれにも属さない種々の構造のものが含まれるマルチ型タイプに分類されたこと、3)BOT-70はMEP経路を使ってテルペノイドを合成していること、4)炭化水素合成時にはSAMサイクルが活性化されていること、5)B.brauniiの大量発生には亜熱帯地域の夏季の成層形成・日照が重要であり、また窒素分濃度の高い水域にはB.brauniiはほとんど出現しないこと、6)細胞増殖が飽和する以上の光エネルギー(40μmol photons/m^2/s)が光合成生産を介して炭化水素生産等の物質生産に振り分けられていることが示された。