著者
鈴木 将充 Michael HENRY 加藤 佳孝 勝木 太
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.148-154, 2010-02-25 (Released:2014-03-31)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

火害を受けたコンクリートは強度や耐久性などが低下し、水中で再養生することにより諸性能は回復すると報告されているが、その詳細な回復機構は未だ明らかではない。そこで本研究は、水中再養生による回復機構を解明するため、物理的観点(総細孔量、ひび割れ)および化学的観点(再水和生成物)からの検討を行った。その結果、総細孔量は加熱前の状態まで回復し、結合水量およびCa(OH)2生成量も加熱前と同程度であったが強度は完全に回復しなかった。これにより、再水和生成物と接触する部分が脆弱部を形成し、回復機構に影響を及ぼしているのではないかと推察された。
著者
皆川 佳唯 酒井 雄也 勝木 太
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.213-217, 2020-03-01 (Released:2020-04-02)
参考文献数
10

大量に発生するコンクリートがれきの処理やセメント製造時のCO2 排出の削減が課題となっている.本研究では木材を使用することで,セメントを使用せずにコンクリートがれきを硬化体として再生する方法を検討した.具体的には,コンクリートがれきと木材のそれぞれを粉砕して得られる粉体を混合してホットプレスすることで硬化体を製造し,コンクリートと木材の割合,含水率,成形温度などが硬化体の曲げ強度に与える影響を検討した.実験の結果,これらの条件を変化させた多くのケースで,一般的なコンクリートの曲げ強度を大きく上回る結果が得られた.