著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 遊磨 正秀
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

上賀茂の住民と協働して北大路魯山人生誕地石碑を建立した。反対者への対応の仕方とその波及効果について多くの知見を得た。京都の特産のミズナがスグキナの作物としての成立に関与した可能性が示せた。ナミテントウは、60年前の結果と比べ、日本全土で暖地に適した二紋型の割合が増えていることを明らかにした。台風域内で、風の左右非対称性を明らかにした。近年の河川改修がアユ産卵場を失う可能性のあることを示唆した。
著者
勝矢 淳雄
出版者
京都産業大学総合学術研究所
雑誌
京都産業大学総合学術研究所所報 (ISSN:13488465)
巻号頁・発行日
no.4, pp.55-66, 2006-07

平安京より古く1300年以上の伝統がある上賀茂地域は京都の北に位置し,烏相撲,紅葉音頭,さんやれ祭,やすらい花など多くの文化的行事なども伝承されてきている。昭和63年には国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選定された社家屋敷群も維持され,町並み保存がはかられている。しかし,地域の環境や地域に伝わる文化の保全・継承の努力の一方で,地域共同体の弱体化によって文化的事象の維持が徐々に失われる危機にあるのも事実である。平成13年以来,伝統文化の保全・継承のために子供たちの社家屋敷の見学会をはじめたが,ようやく地元に定着させる一定の目処がついた。その他の活動も順次進める中で,地元の雰囲気も好意的な方向に変化してきた。平成17年度は,地元との信頼関係が形づくられてきたことを受け,新たに上賀茂探検クラブとテントウムシの観察会,上賀茂神社と七夕祭,自治連合会をはじめとする地元諸団体と賀茂季鷹歌碑建立計画,上賀茂町並み保存会などと上賀茂文化フォーラムの開催,神社などと二葉葵の森の復活事業などを手がけた。いずれも地元と良好な関係のもとに進展し,さらに行事の形態をバイオリージョナリズムの理念に基づき徐々に地元住民が地元のために行う活動へと転換できるようになってきた。
著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 宇戸 純子
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.京都におけるバイオリージョナリズムの展開:地域との連携を通じて、小学生の社家屋敷の見学会、火星や月の観望会、シンポジウム、社家屋敷の特別公開を実施した。賀茂文化研究会を設立し、会誌「賀茂文化」を創刊した。(1)環境資産の保全・継承のための環境バンクの必要性、(2)リーダーの育成の困難さと方策、(3)活性化の方策としての新行事の意義を明らかにした。社家屋敷の見学会は上賀茂探検クラブに移行し、地元の行事として定着させた。バイオリージョナリズムの精神から地域との連携には研究者と地域住民の信頼関係が重要であり、実証的に明らかにした。環境学習の基礎調査も意図して、ナミテントウ集団の翅紋多型に関する調査を上賀茂などで行った。小進化が一定方向に変化しており、気候の温暖化が最も重要な原因である。上賀茂の中位、低位段丘上には、腐植に富む厚い暗色土層が分布し、非アロフェン黒ぼく土で、母材は非火山性物質である。上賀茂特産のスグキナなどに、マイクロサテライトDNAの変異による類縁関係の解析を行い、2つのグループに大別されスグキナはカブ、ハタケナなどと同一グループに属する。環境白書を素材に、環境問題への対処における環境倫理の役割を考察した。2.京都の風と降雨の特性と鴨川への意識:京都地域における風速と降雨量の年最大値を、その発現の原因となった気象擾乱を調べ、発生する線状降水帯の特性を明らかにした。鴨川について、上、中、下流の9つの小学校の6年生と保護者にアンケートを行い、子供たちはもっと鴨川で遊びたいと思っているなど鴨川への意識を明らかにした。3.川にかかわる生活文化と環境の調査:高齢者への聞き取り調査を実施し、過去の明神川への関わり、生活での利用実態を明らかにした。現在の明神川の上流から末端までの水辺空間構成と利用実態の調査および住民意識を調査した。明神川を舞台に「アートプロジェクト」の企画をたてた。