著者
久保 星 福岡 太一 太田 真人 遊磨 正秀
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-031, (Released:2021-12-30)
参考文献数
28

Food habits of young-of-the-year (YOY) smallmouth bass (Micropterus dolomieu) were surveyed from late June to early August, 2019 in the lower Kizu River, Kyoto Prefecture, Japan, prey importance being evaluated using the Index of Relative Importance (IRI). Stomach content analyses of 83 individuals revealed that unidentified fishes (%IRI: 36.6 %) and mayflies (Baetis spp.) (%IRI: 34.6 %) were important prey items, with YOY smallmouth bass as small as 10–20 mm in standard length preying on fishes. The onset of piscivory at an early life stage, likely resulting in higher predator growth rates and lower winter mortality, may have aided the establishment of M. dolomieu in the Kizu River.
著者
福岡 太一 田邑 龍 大庭 伸也 遊磨 正秀
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.14-17, 2022-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
18

Appasus japonicus (Heteroptera: Belostomatidae) inhabits paddy fields and ponds. Females lay eggs on the dorsal surface of the male’s body; males then care for the egg mass. The predation risk for Belostomatinae males may increase because their swimming ability is compromised while caring for the egg masses. However, there are currently no records of predators of these males and the eggs in their care. In this study, we observed the capture of the egg mass of A. japonicus by Cybister tripunctatus lateralis (Coleoptera: Dytiscidae) larva in the field. This may be the first record of Dytiscidae larvae feeding on A. japonicus egg masses, suggesting that these larvae may exert predation pressure on A. japonicus individuals that care for the egg mass.
著者
遊磨 正秀 小野田 幸生 太田 真人
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.142-149, 2021-05-20 (Released:2021-05-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 1

琵琶湖流入河川においては瀬切れが頻発している.その一つである安曇川の下流部に伏流時水位をも計測できる低水位対応型水位計を設置し,2005-2008年に記録した河川水位から瀬切れの発生状況を把握した.安曇川下流部においては5月から12月まで様々な時期に瀬切れが生じていた.瀬切れ時の河川水位と降水量,農業用水取水,琵琶湖水位との関係を検討した結果,農業用水の取水や琵琶湖の低水位が関与していることが示唆された.琵琶湖と流入河川を回遊する魚類等の保全のためにも,低水位環境をモニタリングができる水位計ならびに流量監視カメラの設置が必要であることに加え,農繁期・農閑期および治水期・非治水期の各季節における河川・琵琶湖における水管理の再検討が必要である.
著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 遊磨 正秀
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

上賀茂の住民と協働して北大路魯山人生誕地石碑を建立した。反対者への対応の仕方とその波及効果について多くの知見を得た。京都の特産のミズナがスグキナの作物としての成立に関与した可能性が示せた。ナミテントウは、60年前の結果と比べ、日本全土で暖地に適した二紋型の割合が増えていることを明らかにした。台風域内で、風の左右非対称性を明らかにした。近年の河川改修がアユ産卵場を失う可能性のあることを示唆した。
著者
遊磨 正秀 長田 芳和
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、琵琶湖に侵入した生物としてヌマチチブ、ブルーギルをとりあげ、琵琶湖における生態について水中観察を行った。ヌマチチブは、湖底の石礫上に成育する糸状藻類を主要な餌として利用していた。糸状藻類は、琵琶湖沿岸部ではここ10数年ほどの間に急増したものであり、現在、ヌマチチブ以外はこれを餌資源として利用していなかった。このことから、餌資源の分割様式の点では、ヌマチチブは最近に生じた新たな餌資源を利用しており、琵琶湖の在来種と競合することなく、その生態的地位を確立したものと考えられた。またブルーギルでは、琵琶湖に生息するものの中に、体型や微生息場所が異なるものが混在しており、それぞれに摂食様式や繁殖様式も異なると予想されるため、さらに詳しく調査をすすめる必要性が生じた。一方、琵琶湖在来の魚類では、ほぼすべての種が沿岸部で産卵を行い、稚仔魚期も産卵場所付近で生活することがわかっている。そこで在来種のコイ・フナ類に焦点をあて、その産卵様式の詳細について調査を行った。その結果、コイ・フナ類では、繁殖をひかえた成魚は数日先の降雨を予想し、降雨による沿岸部への栄養塩の流入によって引き起こされる動物プランクトンの増大を見込んで産卵していることが推察された。また、そこでは外来種のブルーギルやオオクチバスの稚仔魚はほとんどみられなかった。このことは、在来種と外来種では、初期生活史における餌、空間資源の利用様式に違いがあることを示唆している。このように、ヌマチチブやブルーギルなどの侵入種と琵琶湖の在来種の間では、餌資源などの利用様式に違いが見られ、このことによって侵入種がすでに多様な群集を形成していたと言われてきた琵琶湖に定着できた要因の一つであると考えられる。
著者
渡邉 崚 中尾 航平 平石 優美子 釣 健司 山中 裕樹 遊磨 正秀 丸山 敦
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.279-293, 2021-02-28 (Released:2021-04-06)
参考文献数
31

ゲンジボタル(Luciola cruciata)は,観光資源や環境指標種として注目されるが,近年,都市化などの人為的影響や大規模な出水による攪乱で個体数は減少しているとされる.保全に不可欠なゲンジボタルの個体数調査は,成虫を目視計数することが多く,幼虫の捕獲調査は破壊的であるため避けられている.本研究では,環境 DNA 分析用の種特異的なプライマーセットを設計し,野外でのゲンジボタル幼虫の定量の可否を検証することで,幼虫の非破壊的な定量調査を提案する.さらに,ゲンジボタルの個体群サイズを制限するイベントを探索することが可能か否かを検証する第一歩として,前世代と同世代の成虫個体数を同地点で計数し,環境 DNA 濃度との関係も調べた.データベースの DNA 配列情報を基に,ゲンジボタルの DNA のみを種特異的に増幅させる非定量プライマーセットⅠ,定量プライマー・プローブセットⅡを設計した.種特異性は,当該種ゲンジボタルおよび最近縁種ヘイケボタルの肉片から抽出した DNA で確認された.定量性は,両種を模した人工合成 DNA の希釈系列に対する定量 PCR によって確認された.プライマー・プローブセットⅡが野外にも適用可能かを確認すべく,2018 年 11 月に野外で採取された環境水に由来する環境 DNA 試料に対して定量 PCR を行った.その結果,環境 DNA 濃度と同時期に捕獲された幼虫個体数との間には正の関係が示された.最後に,幼虫捕獲数および環境 DNA 濃度,その前後の繁殖期の成虫個体数との関係を調べたところ,幼虫捕獲数と前後の成虫個体数には関係は得られなかった.一方,同時期の環境 DNA 濃度との間には負の関係すら得られた.これらの不一致は,長い幼虫期に個体数変動をもたらすイベントが存在することを示唆している.本研究は,野外において,ゲンジボタル幼虫の個体数と環境 DNA 濃度が正相関することを示した初の報告である.今後,幼虫期の定期モニタリングが可能となり,個体数変動を起こすイベントの探索が期待される
著者
中村 太士 森本 幸裕 夏原 由博 鎌田 磨人 小林 達明 柴田 昌三 遊磨 正秀 庄子 康 森本 淳子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

森林、河川、農地生態系について、物理環境を基盤とした生息場評価手法を確立した。また、それぞれの生態系において、生息場の連結性や歴史的変化、倒木などの生物的遺産を考慮する新たな復元手法を開発し、実験的に成果を得た。また、魚類、昆虫、植物、両生類、鳥類、貝類、哺乳類など様々な指標生物を設定し、モニタリングや実験結果によりその成否を評価する手法を確立した。環境経済学や社会学的立場から、再生事業や利用調整地区の導入に対する地域住民、利用者の考え方を解析し、将来に対する課題を整理した。