著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 遊磨 正秀
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

上賀茂の住民と協働して北大路魯山人生誕地石碑を建立した。反対者への対応の仕方とその波及効果について多くの知見を得た。京都の特産のミズナがスグキナの作物としての成立に関与した可能性が示せた。ナミテントウは、60年前の結果と比べ、日本全土で暖地に適した二紋型の割合が増えていることを明らかにした。台風域内で、風の左右非対称性を明らかにした。近年の河川改修がアユ産卵場を失う可能性のあることを示唆した。
著者
野村 哲郎 外井 哲志 清田 勝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.625, pp.125-133, 1999-07-20
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

本研究は, 道路網における案内標識の最適配置に関して, ネットワーク上における迷走の最小化をはかることを目的とし, その数理モデルの提案およびアルゴリズムの開発を行ったものである.<br>目的地の案内方法としては地名または路線番号方式および併用型とし, その設置箇所は交差点流入部に限定している. 運転者の迷走度の表現として到達迷走度を導入している. 最適化の考え方としては, すべてのODの到達迷走度の和を最小化する立場を提案している. 最適化の数理モデルでは, 運転者の迷走度に関する指標を目的関数とし, 標識設置リンク数および案内1方向あたりの表示数を制約条件として, 解法には動的計画法を適用し, 計算例により地名, 路線および併用型案内の性質を示している.
著者
高橋 純一 竹内 実 松夲 耕三 野村 哲郎
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
no.13, pp.25-37, 2014-07

日本で飼養されているセイヨウミツバチApis melliferaの系統調査とアフリカ化ミツバチやアフリカ系統が侵入してきたときの識別法としてミトコンドリアDNA のPCR-RFLPおよび塩基配列の適用性の検討を行った。サンプルはヨーロッパおよびアフリカと日本各地の12地域のミツバチ群を使用した。ミトコンドリアDNAのCOI-COII間を特異的に増幅するPCRを行ったところPCR産物長の違いで亜種間を識別できることが示された。日本のセイヨウミツバチは、すべての個体がA. meliifera ligsticaのC系統と一致していたためPCRと電気泳動によりアフリカ系統のセイヨウミツバチA. mellifera scutellataと識別可能であることがわかった。M系統のセイヨウミツバチは輸入されている可能性もあるため、もしM系統のハプロタイプが見つかった場合には、PCR-RFLPと塩基配列の解析の方法を併用することにより迅速に日本におけるセイヨウミツバチの遺伝構造やアフリカ産のミツバチと識別が可能であることが明らかになった。
著者
野村 哲郎
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13459961)
巻号頁・発行日
vol.30, no.Supplement, pp.4-15, 2002-11-10 (Released:2010-03-18)
参考文献数
20

2002年8月19-23日にフランス・モンペリエで開催された第7回WCGALP (遺伝学の畜産への応用に関する国際会議) では、Management of genetic diversityのセクションにおいて50題の研究発表が行われた。そのうちのいくつかの研究発表を中心に最新の研究動向についてまとめた。まず、集団内の遺伝的多様性を低下させる要因について考察し、分子遺伝学の技術を取り入れた遺伝的多様性の保全方法について最近の研究動向を解説した。さらに、絶滅に瀕した複数の集団 (品種) を対象とした集団間の遺伝距離の利用方法についても紹介した。
著者
高柳 誠二 守屋 和幸 野村 哲郎 道後 泰治 佐々木 義之
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.286-290, 1996-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

品種全体に対して種雄牛の供給という役割を持ち,閉鎖牛群として維持されてきた兵庫県黒毛和種の集団構造を明らかにするために血統分析を行った.材料としては,1960,1970,1980および1988年に兵庫県で生産された黒毛和種登録雌牛から得られた無作為抽出標本(各年次200頭)を用いた.その結果,種雄牛の多様性は1960~1970年の間および1980~1988年の間で大きく減少した.また,F-統計量についてみると,平均近交係数(FIT)および無作為交配下で期待される近交係数(FST)は年次とともに上昇したが,1980年以降はFIT<FSTとなった.したがって,集団分化に起因する近交係数(FIS)および集団分化指数は次第に減少した.さらに,集団の有効な大きさは1960年から1988年の間に262から8となった.以上の結果より,兵庫県の黒毛和種集団では,遺伝的均一化および集団の有効な大きさの縮小が生じ,近年,その傾向がさらに強まっていることが明らかになった.
著者
高橋 純一 野村 哲郎 Jun-ichi TAKAHASHI Tetsuro NOMURA 京都産業大学総合生命科学部 京都産業大学総合生命科学部
出版者
京都産業大学先端科学技術研究所
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.31-40, 2015-07

ミツバチ科マルハナバチに属するエゾオオマルハナバチBombus hypocrita sapporoensisは、特定外来種であるセイヨウオオマルハナバチの代替花粉交配用昆虫として注目されている。今回我われは、本種の農業利用を進めるための遺伝育種学的解析に必要なマイクロサテライトDNAマーカーの適用性を検討した。120種類のマーカーのうち、57種類が多型解析に利用できることがわかった。さらに8種類のプライマーは、マルチプレックスPCRによる同時解析が可能であることを明らかにした。これらのツールキットを利用して女王蜂の受精嚢内から単離した精子DNAの解析を行ったところ、交配雄蜂の遺伝子型を特定できることがわかった。 The Bumblebee is a eusocial Hymenoptera with an annual life cycle and is often utilized as an agricultural pollinator. We developed an polymorphic microsatellite DNA toolkit for the Japanese bumblebee Bombus hypocrita sapporoensis using multiplex PCR. At 57 of these 120 loci, high allelic variation was observed in 20 individual males. In addition to a method of spermathecae PCR, we developed 8 polymorphic microsatellite DNA toolkit for the B. h. sapporoensis. These results suggest that high-throughput genotyping method can be used to gain more information regarding breeding systems and for more deeply understanding social evolution in the B. h. sapporoensis.
著者
野村 哲郎 祝前 博明
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

自然選択は、生物の適応的進化を説明する上で中心的な役割を果たしてきた。しかしながら、野外で実際に自然選択が働いたことを示す実例は極めて少ない。本研究では、ナミテントウの鞘翅斑紋多型における地理的勾配ならびにその年代変化を全国規模で調べ、環境変化とくに気候の温暖化との関係について調査した。本州、四国および九州のほとんどの採集地において、過去60年の間に黒化型(二紋型、四紋型、斑型)の遺伝子頻度が上昇し、非黒化型(紅型)の遺伝子頻度が低下していた。遺伝子頻度に見られた変化は、採集地に近接した気象測候所における繁殖季節の気温の上昇と呼応する傾向を示した。これらの結果は、自然選択による小進化の一例になり得るものと考えられた。
著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 宇戸 純子
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.京都におけるバイオリージョナリズムの展開:地域との連携を通じて、小学生の社家屋敷の見学会、火星や月の観望会、シンポジウム、社家屋敷の特別公開を実施した。賀茂文化研究会を設立し、会誌「賀茂文化」を創刊した。(1)環境資産の保全・継承のための環境バンクの必要性、(2)リーダーの育成の困難さと方策、(3)活性化の方策としての新行事の意義を明らかにした。社家屋敷の見学会は上賀茂探検クラブに移行し、地元の行事として定着させた。バイオリージョナリズムの精神から地域との連携には研究者と地域住民の信頼関係が重要であり、実証的に明らかにした。環境学習の基礎調査も意図して、ナミテントウ集団の翅紋多型に関する調査を上賀茂などで行った。小進化が一定方向に変化しており、気候の温暖化が最も重要な原因である。上賀茂の中位、低位段丘上には、腐植に富む厚い暗色土層が分布し、非アロフェン黒ぼく土で、母材は非火山性物質である。上賀茂特産のスグキナなどに、マイクロサテライトDNAの変異による類縁関係の解析を行い、2つのグループに大別されスグキナはカブ、ハタケナなどと同一グループに属する。環境白書を素材に、環境問題への対処における環境倫理の役割を考察した。2.京都の風と降雨の特性と鴨川への意識:京都地域における風速と降雨量の年最大値を、その発現の原因となった気象擾乱を調べ、発生する線状降水帯の特性を明らかにした。鴨川について、上、中、下流の9つの小学校の6年生と保護者にアンケートを行い、子供たちはもっと鴨川で遊びたいと思っているなど鴨川への意識を明らかにした。3.川にかかわる生活文化と環境の調査:高齢者への聞き取り調査を実施し、過去の明神川への関わり、生活での利用実態を明らかにした。現在の明神川の上流から末端までの水辺空間構成と利用実態の調査および住民意識を調査した。明神川を舞台に「アートプロジェクト」の企画をたてた。