著者
勝部 伸夫
出版者
日本経営学会
巻号頁・発行日
pp.14-21, 2016 (Released:2017-03-23)

株式会社は資本集中という機能をフルに発揮して巨大化し,今や社会に不可欠な制度となった。では専門経営者に率いられた巨大株式会社は誰のために,どのように動かされるのか。また大企業はどのようにチェックされるのか。これはコーポレート・ガバナンスの問題であるが,それは実際には,経営者資本主義から株主資本主義への転換を推進するものとして登場した。すなわち資本主義の危機が進行する中,グローバリゼーションの進展と新自由主義思想の台頭を背景として,株主利益の最優先が声高に叫ばれ,国もそれを法制度改革等の面からサポートする流れが加速した。しかし,会社は株主のものだ,と言って済ますことはできない。株主の責任,株式会社の責任が問われる事態が進行しており,改めて株式会社とは何であり,その本質はどこにあるかを根本から問い直す必要が出てきていると言えよう。