著者
本多 照幸 北原 照央 廣瀬 勝己 五十嵐 康人 青山 道夫
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.195-195, 2006

本研究では、1964年及び2000年福岡降下物試料(固形分)に中性子放射化分析やγ線スペクトロメトリ等を適用し、得られた定量結果を用いて、既報の近年における降下物試料の定量結果を含めて比較検討し、福岡降下物から見た大気環境の変動について考察した。その結果、1.1964年福岡における全降下量は、2000年に比べて数倍から十数倍多かったが、その原因は土壌ダストによるものであり、通年において土壌ダストが全降下量を支配し、2.ウランの起源は、土壌だけでなくフォールアウトも含むことが示唆された。また、3.REEパターンより、1964年試料では11月と12月が黄砂のパターンに近く、これらの月では黄砂の寄与が比較的大きく、さらに、4.Th/Sc比より、近年試料(特に2000年長崎と福岡)の方が1964年福岡試料より黄砂の寄与が大きいことが判明した。