著者
本多 照幸
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.91-101, 2000 (Released:2013-02-19)
参考文献数
77
著者
本多 照幸 小野 剛 塚本 篤 松野 弘貴
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.139-139, 2011

本研究では、東京近郊の川崎市郊外(西部)を中心とした事故後の大気及び土壌試料におけるγ線核種(131I、134Cs、137Cs、95Nb、129Te等)の解析結果について報告する。大気試料は粒子状物質(APM)と降下物であり、何れも都市大原研(川崎市西部)で採取した。土壌試料は、同研究所のほか多摩川河川敷等で深度方向に採取し、U8容器に充填した。γ線の測定にはGe半導体検出器を用い、10000~80000秒測定した。
著者
本多 照幸 北原 照央 廣瀬 勝己 五十嵐 康人 青山 道夫
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.195-195, 2006

本研究では、1964年及び2000年福岡降下物試料(固形分)に中性子放射化分析やγ線スペクトロメトリ等を適用し、得られた定量結果を用いて、既報の近年における降下物試料の定量結果を含めて比較検討し、福岡降下物から見た大気環境の変動について考察した。その結果、1.1964年福岡における全降下量は、2000年に比べて数倍から十数倍多かったが、その原因は土壌ダストによるものであり、通年において土壌ダストが全降下量を支配し、2.ウランの起源は、土壌だけでなくフォールアウトも含むことが示唆された。また、3.REEパターンより、1964年試料では11月と12月が黄砂のパターンに近く、これらの月では黄砂の寄与が比較的大きく、さらに、4.Th/Sc比より、近年試料(特に2000年長崎と福岡)の方が1964年福岡試料より黄砂の寄与が大きいことが判明した。
著者
中町 鴻 廣瀬 正明 木川田 喜一 廣瀬 勝己 岡田 往子 鈴木 章悟 本多 照幸
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.589-594, 2015-08-05 (Released:2015-09-03)
参考文献数
12
被引用文献数
4

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及び,それにより発生した津波によって東京電力福島第一原子力発電所(以下,福島原発)は大きな被害を受け,環境中に多量の放射性核種を放出した.その影響で関東地方においても高濃度の放射性セシウム(134Cs,137Cs)が大気中でも検出された.本研究では大気粒子状物質(APM)に着目し,神奈川県における福島原発事故由来の放射性セシウムを長期的に観測することで,APM中の放射性セシウム濃度の経時変化並びに,大気環境中における放射性セシウムの存在形態について検討した.その結果,大気中の放射性セシウムの放射能濃度は2011年3月から2011年9月にかけて105分の1にまで減少したものの,その後は緩やかな減少にとどまり,2014年3月時点でも1.0 × 10-5 Bq m-3の放射能が検出されていることが明らかとなった.大気環境中における放射性セシウムの存在形態については,粘土鉱物中に強く固定されてしまう土壌中の放射性セシウムとは異なり,水溶性成分のものが50% 以上の割合を占め,土壌等のほかの環境中の放射性セシウムに比べ移動能が高いことが分かった.
著者
松野 弘貴 中町 鴻 本多 照幸 木川田 喜一
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

2011年3月11日に発生した東北太平洋沖地震(M9.0)(以下東日本大震災)によって、福島第一原子力発電所の原子炉の事故が発生しその結果、1~4号機の原子炉建屋で水素爆発が生じ、大量の放射性物質が大気中に放出された(Ⅰ-131等価で77万兆ベクレル)。 その結果、関東地方(東京都市大学原子力研究所・川崎市西部)でも人工放射性核種Cs-134、Cs-137が検出された。福島原発事故により飛来した、これらの人工放射性核種を調査することで、事故による大気拡散や大気環境への影響を解明する端緒となることが期待される。 本研究では、東京近郊の川崎市郊外を中心とした事故直後と1年後の大気試料中のγ線放出核種(Cs-134、Cs-137)の解析結果について報告する。更に放射性Csの化学形態を調査するためにCsの抽出実験を行ったので報告する。
著者
本多 照幸 持木 幸一 岩月 輝希 水野 崇
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高レベル放射性廃棄物(HLW)処分に係わる様々な岩相を分析した結果、多くの変質帯において、天然類似元素の濃集を示した。天然類似元素は、地層中に存在するランタノイド(Ln)及びウラン、トリウムであり、HLW中の放射性物質と化学的性質が近似である。地下水等に伴いHLWから人工バリアを経て移行した放射性物質が天然の地層中に拡散するが、このような変質帯との相互作用によって、変質帯中に取り込まれ、地層中に保持され、生活環境へ到達するまでの遅延効果が期待できるものと思われる。
著者
大井 隆夫 掛川 一樹 小坂 知子 本多 照幸 垣花 秀武
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.5, pp.543-548, 1993-05-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1

草津白根山の火口湖である湯釜について,二つの湖水試料,二つの湖底泥試料および一つの固体火山噴出物中のランタノイド元素を中性子放射化分析法により定量した。その結果,水試料では11~14元素がppbのオーダーで,固体試料では8~10元素がppmレベルでそれぞれ定量された。すべての試料において,定量された元素でみる限り元素の存在量に関するOddo-Harkins則が成り立っていた。各試料中のランタノイド元素濃度をLeedeyChandrzte中の対応する濃度で規格化して得られるランタノイド元素パターンを求めたところ,固体試料では軽ランタノイドで左上がり,重ランタノイドでほぼ水平の傾きをもった,岩石でよく見られる,互いによく似たパターンが得られた。水試料のパターンは,全体にわずかに左上がりのものであった。固相と液相との間でのランタノイド元素の分配係数をイオン半径に対してプロットしたところ,中程度のイオン半径(90~95pm)のところでピークをもつ特徴的な曲線が得られた。これより,閉鎖系の酸性環境下においては,三価イオンの場合このあたりのイオン半径を持つ元素が最も液相側に分配しやすいことが示唆された。