著者
廣瀬 勝己
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2007年度日本地球化学会第54回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.30, 2007 (Released:2008-01-18)

2003年南太平洋で観測船「みらい」による観測(BEAGLE)が実施された。その際、放射能観海水試料が得られた。海水試料は量が少ないためICP-MSでプルトニウム濃度を測定した。その結果を、報告する。
著者
本多 照幸 北原 照央 廣瀬 勝己 五十嵐 康人 青山 道夫
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.195-195, 2006

本研究では、1964年及び2000年福岡降下物試料(固形分)に中性子放射化分析やγ線スペクトロメトリ等を適用し、得られた定量結果を用いて、既報の近年における降下物試料の定量結果を含めて比較検討し、福岡降下物から見た大気環境の変動について考察した。その結果、1.1964年福岡における全降下量は、2000年に比べて数倍から十数倍多かったが、その原因は土壌ダストによるものであり、通年において土壌ダストが全降下量を支配し、2.ウランの起源は、土壌だけでなくフォールアウトも含むことが示唆された。また、3.REEパターンより、1964年試料では11月と12月が黄砂のパターンに近く、これらの月では黄砂の寄与が比較的大きく、さらに、4.Th/Sc比より、近年試料(特に2000年長崎と福岡)の方が1964年福岡試料より黄砂の寄与が大きいことが判明した。
著者
廣瀬 勝己 青山 道夫 小村 和久 津旨 大輔 熊本 雄一郎
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

海洋研究開発機構 海洋地球研究船「みらい」が2003年から2004年に実施した南太平洋を含む世界一周航海ですでに得られたデータを組み込んだ、海洋のマルチトレーサーデータベースを完成させることができた。放射性セシウムの新しいソースタームと解像度を上げた海洋大循環モデルによる再現計算を行った。データベースを利用して解析したところ、^<239,240>Pu/^<137>Cs 比が、表層から水深約1000mまで指数関数的に増加していることを見出した。世界で始めて、南太平洋、南大西洋およびインド洋の薄明領域(水深100m-1000m)の粒子状配位子の分布を求めることができた。
著者
中町 鴻 廣瀬 正明 木川田 喜一 廣瀬 勝己 岡田 往子 鈴木 章悟 本多 照幸
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.589-594, 2015-08-05 (Released:2015-09-03)
参考文献数
12
被引用文献数
4

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及び,それにより発生した津波によって東京電力福島第一原子力発電所(以下,福島原発)は大きな被害を受け,環境中に多量の放射性核種を放出した.その影響で関東地方においても高濃度の放射性セシウム(134Cs,137Cs)が大気中でも検出された.本研究では大気粒子状物質(APM)に着目し,神奈川県における福島原発事故由来の放射性セシウムを長期的に観測することで,APM中の放射性セシウム濃度の経時変化並びに,大気環境中における放射性セシウムの存在形態について検討した.その結果,大気中の放射性セシウムの放射能濃度は2011年3月から2011年9月にかけて105分の1にまで減少したものの,その後は緩やかな減少にとどまり,2014年3月時点でも1.0 × 10-5 Bq m-3の放射能が検出されていることが明らかとなった.大気環境中における放射性セシウムの存在形態については,粘土鉱物中に強く固定されてしまう土壌中の放射性セシウムとは異なり,水溶性成分のものが50% 以上の割合を占め,土壌等のほかの環境中の放射性セシウムに比べ移動能が高いことが分かった.
著者
廣瀬 勝己 五十嵐 康人 猪俣 弥生 青山 道夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.315, 2008 (Released:2008-09-06)

つくばと榛名山上で月間大気降下物試料を採取した。降下物試料中のプルトニウムとトリウム同位体を測定し、その結果をまとめた。両地点共に、春期にプルトニウム降下量の極大が見られた。同様な季節変化はトリウムにも見られた。降下物中のいづれの核種も土壌粒子の再浮遊に起源が求められる。