著者
内田 悠介 枝廣 育実 水野 恒史 高橋 弘充 大野 雅功 北口 貴雄 勝田 隼一郎 幅田 翔 大橋 礼恵 岡田 千穂 内田 和海 渡辺 伸 深沢 泰司 伊藤 真義 武田 伸一郎 田島 宏康 湯浅 孝行 他HXI/SGDチーム 太田 方之 林 克洋 小高 裕和 一戸 悠人 米田 浩基 都丸 亮太 高橋 忠幸
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.373, 2016

<p>2016年2月に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」に搭載された軟ガンマ線検出器(SGD)の主検出器はコンプトンカメラである。これまでに、実験による性能評価の一方で、シミュレーションによる検出器応答の作成が行われた。検出器の応答は、バックグラウンドや入射光子の偏光の影響を受ける。2015年11月に行われたSPring-8偏光ビーム試験の結果を含めて、本講演ではSGDコンプトンカメラの検出器応答について報告する。</p>
著者
榎戸 輝揚 北口 貴雄
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

中性子星のX線観測を主要目的とした Neutron star Interior Composition ExploreR (NICER) は、2017年6月3日にケネディ宇宙飛行センターから SpaceX 社の Falcon9 ロケットにより無事に打ち上げられ、国際宇宙ステーションで観測を開始した。NICERは小型のX線集光系とその焦点面に設置されたシリコンドリフト検出器を組み合わせた1モジュールを56個合わせ、中性子星の星表面からの熱放射に特化した 1.5 keV で過去最高の有効面積を誇っている。NICER は、中性子星の内部の高密度状態方程式の観測的確定を目指した観測ターゲットだけでなく、突発増光した中性子星やブラックホールも含め、複数の天体をすでに観測し、検出器のキャリブレーションを行っているところである。定常重力波の発生源かつ検出可能な候補の筆頭である「さそり座 X-1」 は非常に明るく、検出器の調整が必要のため、年度末に調整を行っている段階である。可視光との同時観測が可能であるかも検討を進めている。一方で、超小型衛星に向けた検討も進めており、高レート観測に適するシリコンドリフト検出器を選択し、実際に購入して、読み出し部分の実験室モデル作成を進めている。本プロジェクトとは別の雷雲や雷からの放射線測定のために開発された読み出し用の電子回路ボードを現在は使っているが、本小型衛星のプロジェクトに特化した専用のボード開発の議論も進めている。また、X線集光系については、NASA ゴダード宇宙飛行センターにおいて研究打ち合わせを行った。