著者
吉田 省造 岡田 英志 土井 智章 中島 靖浩 鈴木 浩大 田中 卓 福田 哲也 北川 雄一郎 安田 立 水野 洋佑 宮﨑 渚 森下 健太郎 牛越 博昭 竹村 元三 白井 邦博 豊田 泉 小倉 真治
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.129-135, 2015 (Released:2015-02-28)
参考文献数
24

症例は50歳代の男性, キノコ狩りに行きキノコを焼いて食べた翌日に下痢・嘔吐などの消化器症状を自覚し近医を受診. 血液検査にて肝逸脱酵素上昇を認め入院となった. 翌日の採血で肝逸脱酵素の著明な上昇 (AST 5,000台, ALT 5,000台) を認め, 当院に搬送となった. 問診によりドクツルタケ摂取による肝障害を疑った. 入院当日より肝性脳症を認め, 昏睡型急性肝不全と診断. 挿管・人工呼吸管理として, 肝不全治療と同時に毒素除去, 高分子除去を目的として急性血液浄化療法を行った. 入院5日後に肝性脳症は改善し呼吸状態は良好で抜管, 経過良好にて入院9日後に転院となった. ドクツルタケ中毒における血液浄化療法は否定的な意見が多いが, 今回は肝不全を呈したドクツルタケ中毒に対し, 血液浄化療法を行い救命し得た. ドクツルタケの中毒を疑った場合には, 早急な血液浄化療法が有効である可能性が高いと考えられた.
著者
北川 雄一 深田 伸二 川端 康次 藤城 健 安井 章裕
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.2099-2102, 2005-09-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
20
被引用文献数
6 7

術前からの認知症の存在は,高齢者に対する外科治療の際の大きな問題のひとつである.平成13年度厚生労働省長寿共同研究「高齢者術後せん妄の治療と予防に関する研究」の中で,多施設共同「後ろ向き調査」の対象患者 (80歳以上) 461人中の442人を対象とし,術前より認知症を有した患者38人と残り404人を比較検討した.これら認知症患者は,有意に高齢で (86.4歳:83.7歳),術前ASA・PSが高かった.手術時間は認知症患者が短時間であった (106分:130分).術後在院日数 (44.1日:31.3日)は認知症患者で長期化していた.術後合併症発生率は認知症患者で高く (84.2%:44.8%),特に肺炎・呼吸不全の発生が多かった.また術後せん妄あるいは認知症の症状悪化の頻度も高かった.術前より認知症を有する患者では,術後合併症-特に呼吸器合併症の発生と,精神・神経症状悪化に注意する必要がある.
著者
矢羽田 彩乃 北川 雄一 大窪 歩 大久保 喬平 曽我 公平 大島 朋子 竹村 裕
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2020 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.2P1-F12, 2020 (Released:2020-11-25)

This study shows the possibility of plaque detection by near-infrared hyper spectrum imaging (NIR-HSI) and machine learning without plaque stain. While the plaque stain shows where the plaque is, the plaque stain leaves color and may cause anaphylaxis. Near-infrared images are obtained from the plaque cultured teeth by NIR-HSI. RGB images of stained teeth are obtained and superimposed on the near-infrared image. The G channel of the RGB image is corrected to label the spectral data plaque or no plaque. Learning and prediction were performed by Artificial Neural Network. The proposed method showed that plaque could be detected without staining about 70% accurate.
著者
北川 雄一
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.28-35, 2013 (Released:2014-02-28)
参考文献数
40
被引用文献数
1 2

せん妄は,意識,認知機能,知覚,注意が障害される病態である.術後比較的早期に錯乱状態に陥った患者が,錯覚や幻覚を訴えたり,医療従事者や介護者の指示を理解できなかったりそれに従うことができないなどの症状があれば,せん妄と診断できる.しかし,傾眠や抑うつ状態と類似の症状を呈することもあるため,診断に注意が必要な場合がある.術前からの精神神経疾患の既往などがある場合には,より診断が困難となる可能性もある.客観的な診断を行い,せん妄の程度を評価するために各種のスケールなどが用いられる.発症頻度は4~87%と報告により様々である.発症には,疼痛や麻酔,各種薬物などが危険因子として挙げられている. 国立長寿医療研究センターでの調査では,80歳以上の待機手術患者での発症率は73.9%で,高齢,術前MMSE低値,術前JNCS低値,興奮・多動の既往が術後せん妄発症の危険因子であった.
著者
北川 雄一 前川 裕子 三浦 みちえ
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.30-35, 2018

<p>当院の血液培養実施状況は,十分なものでなかった。診療報酬で血液培養検査2セット採取が認められるようになった2014年4月から1年間,血液培養適正採取キャンペーンを行った。キャンペーンの成果を集計し成果を報告する。キャンペーン開始前の血液培養検査の外科系診療科ごとの状況を,キャンペーン開始後と比較し,内科系を含む病院全体の状況を,2017年まで集計した。キャンペーン前の病院全体での2セット以上採取率は18.2%,外科系診療科の2セット以上採取率は12.1%,血液培養実施患者数はのべ182人であった。キャンペーン後は,それぞれ67.0%,75.4%,252人と改善した。キャンペーン終了後も一部の介入を行った結果,病院全体での2セット以上採取率は,2015年度86.0%,2016年度89.1%,2017年度91.0%と,高水準を維持している。病院全体として血液培養適正採取キャンペーンを行うことで,血液培養の実施数の増加と,2セット以上採取率向上が得られた。</p>
著者
吉田 省造 岡田 英志 土井 智章 中島 靖浩 鈴木 浩大 田中 卓 福田 哲也 北川 雄一郎 安田 立 水野 洋佑 宮﨑 渚 森下 健太郎 牛越 博昭 竹村 元三 白井 邦博 豊田 泉 小倉 真治
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.129-135, 2015

症例は50歳代の男性, キノコ狩りに行きキノコを焼いて食べた翌日に下痢・嘔吐などの消化器症状を自覚し近医を受診. 血液検査にて肝逸脱酵素上昇を認め入院となった. 翌日の採血で肝逸脱酵素の著明な上昇 (AST 5,000台, ALT 5,000台) を認め, 当院に搬送となった. 問診によりドクツルタケ摂取による肝障害を疑った. 入院当日より肝性脳症を認め, 昏睡型急性肝不全と診断. 挿管・人工呼吸管理として, 肝不全治療と同時に毒素除去, 高分子除去を目的として急性血液浄化療法を行った. 入院5日後に肝性脳症は改善し呼吸状態は良好で抜管, 経過良好にて入院9日後に転院となった. ドクツルタケ中毒における血液浄化療法は否定的な意見が多いが, 今回は肝不全を呈したドクツルタケ中毒に対し, 血液浄化療法を行い救命し得た. ドクツルタケの中毒を疑った場合には, 早急な血液浄化療法が有効である可能性が高いと考えられた.