著者
北村 友一 阿部 翔太 服部 啓太 山下 洋正
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.III_121-III_130, 2020 (Released:2021-03-17)
参考文献数
22

本研究では,二次処理水を用いてゼブラフィッシュの胚・仔魚期の曝露試験を行い,ふ化率,生存率と網羅的遺伝子発現への影響,さらに,希釈およびオゾン処理による遺伝子発現影響の低減効果を調査した.二次処理水,オゾン処理水の曝露による遺伝子発現への影響レベルは,河川水の同様の曝露結果と比較した.その結果,二次処理水最大濃度(80%)においてもふ化率や生存率に影響は見られなかったが,遺伝子発現への影響は見られた.二次処理水の割合が減少するに従い,発現変動遺伝子数も少なくなることが確認された.二次処理水曝露により免疫,代謝,ストレス応答,シグナル伝達など様々な影響を受けていることが示唆された.二次処理水は10倍希釈,または,オゾン処理により,遺伝子発現への影響を河川水レベルまで低減できることがわかった.