著者
石黒 貴之 服部 啓太 須田 礼仁 杉原 正顯
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.1-6, 1999-08-02
被引用文献数
2

球面上のPoisson方程式は地球の大気の運動をシミュレーションする上で欠かせない方程式である.従来,気象学の分野では球面上のPoisson方程式の数値解法として,球面調和関数を用いたスペクトル法及び,差分法等が一般的に利用されてきた.しかし前者はスペクトル範囲以内では正確に計算できるが,計算速度が遅い,逆に後者は高速に計算できるが精度が悪い.そこでYeeによって高速Fourier変換(F)を用いた高精度かつ高速な二重Fourier級数展開法が提案された.本報告ではYeeの方法で解析が不完全なところを補い,さらに改良を加えた.その結果,我々の手法でば,Yeeの方法の精度を保ちつつ,2倍程度の計算速度の向上を実現した.In meteorology, the spectral and finite difference methods are commonly used as the numerical solutions of the Poisson equation on a sphere. Nevertheless the former, being highly accurate, is slow, whereas the latter, being fast, is lowly accurate. To improve this situation, Yee has recently proposed a fast and highly accurate method based on the FFT, which is called truncated double Fourier series. In this report we make up for incomplete point of Yee's report and improve Yee's scheme. As a result our scheme achieves doubled performance with keeping the same level accuracy.
著者
北村 友一 阿部 翔太 服部 啓太 山下 洋正
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.III_121-III_130, 2020 (Released:2021-03-17)
参考文献数
22

本研究では,二次処理水を用いてゼブラフィッシュの胚・仔魚期の曝露試験を行い,ふ化率,生存率と網羅的遺伝子発現への影響,さらに,希釈およびオゾン処理による遺伝子発現影響の低減効果を調査した.二次処理水,オゾン処理水の曝露による遺伝子発現への影響レベルは,河川水の同様の曝露結果と比較した.その結果,二次処理水最大濃度(80%)においてもふ化率や生存率に影響は見られなかったが,遺伝子発現への影響は見られた.二次処理水の割合が減少するに従い,発現変動遺伝子数も少なくなることが確認された.二次処理水曝露により免疫,代謝,ストレス応答,シグナル伝達など様々な影響を受けていることが示唆された.二次処理水は10倍希釈,または,オゾン処理により,遺伝子発現への影響を河川水レベルまで低減できることがわかった.