著者
藤井 聡 小畑 篤史 北村 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.439-445, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 5

本研究では, 路上放置自転車問題における心理的方略の一つとして, 施策としての “説得”(あるいは, 説得的コミュニケーション) の有効性を確認するためのフィールド心理実験を行った. 実験では, 被験者 (n=99) を複数のグループに分け, 何種類かの説得的コミュニケーションを行ったところ, 自転車放置行為の問題を指摘し, かつ, 自転車放置行為を止めるために必要な方法を具体的に提示することで, 放置自転車行為の実行頻度は3割減少することが見いだされた.
著者
藤井 聡 米田 和也 北村 隆一 山本 俊行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.15, pp.489-497, 1998

本研究では, セミマルコフモデルを適用し個人の通勤手段の連続時間軸上での遷移過程を再現する行動モデルを構築し, このモデルの未知パラメータを, 複数の離散断面で実施されたパネル調査で得られたデータに基づいて推定した. 推定計算の結果, 通勤者が通勤手段としてCarpoo1を連続して利用し続ける期間は短い, すなわち, Carpoolを通勤手段として利用するという状態は他の交通機関を利用するという状態に比べて不安定であることが分かった. また, 機関別の移動速度が利用手段に影響を及ぼしていることも示された. 構築したモデルに基づいた集計化分析からは, 本研究で提案した動的な行動モデルを用いることで, 均衡状態の成立も含めたシステム全体の挙動についての解析が行える可能性があることが分かった. それとともに, 通勤手段シェアでさえも, 現状と均衡状態との間には大きな乖離がありうることが示された.
著者
山本 俊行 YAMAMOTO Toshiyuki 北村 隆一 KITAMURA Ryuichi 熊田 善亮 KUMADA Yoshiaki
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.667, no.50, pp.33-40, 2001-01

業務トリップは、通勤トリップと異なり広い時間帯で発生することや、複数の目的地を持つトリップチェインを形成する傾向が強い等の特徴を持つ。本研究では、トリップチェイン前後の業務活動も含めたトリップチェイン全体の費用最小化行動を仮定した、業務トリイプの経路・出発時刻選択モデルを構築した。出発時刻選択については最適な出発時刻で総費用が極小値をとるとの条件を用い、連続時間軸上での時刻選択行動をモデル化した。路側配布によるアンケート調査で得られた実際のトリップチェインデータ、および時間帯別所要時間データに基づき未知パラメータを推定した。さらに、出発時刻や経路、立ち回り順序の変更や所要時間の変化に伴なう費用の変化を産出し、モデルの挙動を確認した。Unlike commute trips, business trips are generated throughout business hours, and several destinations tend to be visited in a trip chain. In this study, a route and departure time choice model for a business trip chain is developed based on the hypothesis that the trip chain is made so as to minimize the total cost, including costs associated with other business activities before and after the trip chain, as well as costs associated with travel time, toll fees, and the probability of being late. The empirical analysis is carried out using a data set obtained from a survey of business trip drivers. The properties of the estimated model are examined on a sample case
著者
藤井 聡 林 成卓 北村 隆一 杉山 守久
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.851-860, 1997

本研究では, 交通網異常時における適切な広報活動を検討するために, そして, 交通網異常の交通需要予測を目指して, 個人の対応行動モデルシステムの構築を図った.本研究では, 交通網異常時では交通状態の認知についての異質性が顕著となるものと考え, 交通状況の認知と交通行動の双方を内生化した.モデルシステムの構築にあたっては, 阪神高速道路池田線通行止め規制中の個人の交通行動データを用いた.推定の結果, 個人が認知する交通状況の異質性を考慮することでデータへの適合度が向上すること, チラシ, フリーダイアルが個人の交通状況の認知の向上に貢献することが分かった.また, 京阪神パーソントリップデータを用いて感度分析を行った結果, 本モデルシステムを用いて広報活動政策を集計的な観点から評価できること, ならびに, 複数の情報媒体を組み合わせることが有効であることが分かった.
著者
北村 隆一 山本 俊行 神尾 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.625, pp.171-180, 1999
被引用文献数
1

本研究では世帯の交通エネルギー消費量, 通勤交通機関, 自動車保有台数, 通勤距離を内生変数とする構造方程式モデルを1990年京阪神パーソン・トリップ調査結果を用いて推定し, 世帯の交通エネルギー消費性向に考察を加えると同時に, このモデルを土地利用政策のエネルギー消費削減効果の分析に適用している. モデルの推定結果は, より高密度で職住近接型の土地利用を推進することにより世帯の交通エネルギー消費を削減することが可能であることを示唆している. しかしながら, 既に高密度・混在型の土地利用が展開し自動車利用率が比較的低い京阪神都市圏で世帯交通エネルギー消費の大幅な削減を図るとすれば, 都市圏外延部に居住し長距離通勤を行う世帯を対象とする土地利用政策が必要となることを本研究の結果は示唆している.
著者
菊池 輝 山本 俊行 芦川 圭 北村 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.503-508, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

本研究では, 従来より用いられてきたゾーンシステムにおける問題点に着目し, 空間表現技法として直交座標系でトリップ目的地点を表現する座標システムを用いた目的地点選択行動の再現手法を開発した. 巨大となる目的地選択肢集合に対処するため, MCMC法を適用することで効率的なサンプリングを行った. 仮想的な領域を想定したシミュレーションの再現値は, 設定した効用関数より算定した理論値とほぼ一致し, 本研究による計算法の妥当性を確認した. また京都市中心部を対象としたシミュレーションにおいても, 推定したパラメータの影響を反映する再現値が得られ, 目的地選択行動の再現方法として有用な手法であることが示された.
著者
北村 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-15, 2003-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
111
被引用文献数
3 4 3