著者
千 錫烈
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.420-427, 2010-10-01

本稿では問題利用者への対処法を示すことを目的とする。最初に図書館における問題利用者の定義や問題行動の種類について概観し,問題利用者の範囲は広く,状況によっては問題行動かどうかの判断が困難なことを指摘する。次に日本における問題利用者の実態調査のレビューを行い,現実問題として問題利用者の被害が深刻であり,図書館員の精神的負担となっていることを示す。最後に,問題利用者の対処法として,最も遭遇頻度が高いであろう「怒った利用者」に焦点を当て,傾聴法に代表されるコミュニケーション・スキルを用いた方法や,意見が対立した際の「優位」と「回避」を用いた対処法を紹介する。
著者
千 錫烈
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.A121-A135, 2010 (Released:2020-07-20)

公共図書館の利用について、アメリカでは多くの訴訟事例がある。本稿ではこうした訴訟事例から、「迷惑行為」と呼ばれる5つの行為、(1)図書館の目的外利用 (2)服装規定 (3)インターネットなどのコンピュータの利用(4)セクシャルハラスメント(5)宗教団体・政治団体による会議室の利用に関する判例を取り上げ、法律上の線引きをどのようにして規定しているかの検討を行った。その結果、「公平な施行」「利用者への通知」「適正手続き」の3つが判例の基準になっている事を指摘した。また、これらの判例は公共図書館の利用規則の内容について争うものであり、利用規則の重要性も明らかになった。そこで、「社会資本」の概念に立った利用規則作成の指針を示し、具体的な処方箋を提示した。
著者
千 錫烈
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.113-120, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)

図書館は不特定多数が利用する施設であり安心安全でなければならない。しかし,近年の図書館では迷惑行為や犯罪行為を行う「問題利用者」が問題となっている。本稿では①リスクマネジメントやリスクアセスメントの策定によるリスク対応の可視化,②利用規則による抑止,③図書館職員のホスピタリティを向上させるサービスコードの3つの方策を示して問題利用者の抑止策について検討していく。さらには実際に問題行動が起きた際の対応策として,遭遇する確率が高い怒った利用者を事例として挙げ,6つの対応スキルについて紹介する。
著者
千 錫烈
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学人文学会紀要 = Bulletin of the Society of Humanities Kanto Gakuin University (ISSN:21898987)
巻号頁・発行日
no.134, pp.1-41, 2016

本稿では、指定管理者制度が公立図書館に導入された際の課題について論考を行うものである。第1章では指定管理者制度の概要および対象となる公の施設について論じる。第2章では指定管理者制度の導入状況について他の社会教育施設と比較し検討を行う。第3章では指定管理者制度の導入率が低い理由について、公立図書館はインスティチュート型施設であり人的資本が重視されることを述べる。第4章では指定管理者制度に関するメリットとデメリットを挙げ、論点整理を行う。第5章では公立図書館への指定管理者制度導入の課題として、短期的な利益と長期的な利益の相反があることを指摘する。その理由について、1:負のインセンティブが働く可能性、2:本当にサービスが向上するのか、3:行政に図書館運営のノウハウが残らない、4:他の機関・部署との連携不足による孤立化、5:短期的利益の追求のために長期的利益が損失、6:人口減少への拍車化の6つの観点から論じる。結論として指定管理者制度を検討する際には、短期的な経費削減を主眼とするのではなく、教育・文化政策の長期的な視野を範囲に入れることの重要性を指摘する。
著者
千 錫烈
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.113-120, 2017

<p>図書館は不特定多数が利用する施設であり安心安全でなければならない。しかし,近年の図書館では迷惑行為や犯罪行為を行う「問題利用者」が問題となっている。本稿では①リスクマネジメントやリスクアセスメントの策定によるリスク対応の可視化,②利用規則による抑止,③図書館職員のホスピタリティを向上させるサービスコードの3つの方策を示して問題利用者の抑止策について検討していく。さらには実際に問題行動が起きた際の対応策として,遭遇する確率が高い怒った利用者を事例として挙げ,6つの対応スキルについて紹介する。</p>
著者
千 錫烈
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.420-427, 2010-10-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
26

本稿では問題利用者への対処法を示すことを目的とする。最初に図書館における問題利用者の定義や問題行動の種類について概観し,問題利用者の範囲は広く,状況によっては問題行動かどうかの判断が困難なことを指摘する。次に日本における問題利用者の実態調査のレビューを行い,現実問題として問題利用者の被害が深刻であり,図書館員の精神的負担となっていることを示す。最後に,問題利用者の対処法として,最も遭遇頻度が高いであろう「怒った利用者」に焦点を当て,傾聴法に代表されるコミュニケーション・スキルを用いた方法や,意見が対立した際の「優位」と「回避」を用いた対処法を紹介する。