著者
栗田 禎子 長澤 榮治 水島 多喜男 阿久津 正幸 小林 春夫 鈴木 規夫 阿久津 正幸 清水 学 千代崎 未央 平野 淳一 湯川 武
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

従来、現代中東の社会運動をめぐる研究では、専らいわゆる「イスラーム主義」運動のみが脚光を浴びる傾向があったが、本研究では中東におけるマルクス主義の問題に着目し、その展開過程の特質を、運動、思想、歴史的・社会的背景という角度から分析した。研究の結果、中東のマルクス主義はこの地域の置かれた社会的・経済的現実と対峙し、地域に根ざした「知」の伝統(アラブ・イスラーム哲学の蓄積等)とも対話・格闘しながら発展してきたものであり、欧米からの単なる「移植」の産物ではないことが明らかになった。また、中東の社会・政治のあり方に関する従来の固定的・静態的イメージの見直しを行なうことができた。