著者
村 竜次 升田 由美子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.63-70, 2023-12-20 (Released:2023-12-20)
参考文献数
28

本研究の目的は, 末梢静脈路確保時に最も効果的なアームダウンの体位を検討することである. そのため, ヘッドアップの角度の違いによる静脈怒張効果を比較した. 被験者は20~30代の健康でBMIが標準な女性20名とし, 基礎データ (年齢・身長・体重・BMI・上腕周囲長・上腕三頭筋皮下脂肪厚・血圧・体温) と各体位 (仰臥位に駆血, ヘッドアップ30°・45°・90°に駆血) の静脈要因 (断面積・深さ・血管周囲長, 静脈の縦径・横径), 目視怒張度および触知怒張度を測定ならびに判定を行った. 最も静脈怒張を示したのはヘッドアップ90°に駆血を加えた体位であり, すべての静脈要因で有意な効果がみられた.
著者
林谷 学 升田 由美子
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.19-29, 2021 (Released:2020-07-01)
参考文献数
28

救命救急センターで勤務する看護師のWork Engagement(以下、WE)に達成動機と自律性が及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。全国の救命救急センター288施設の中から、単純無作為標本抽出した120施設を対象とし、915名に郵送法による無記名自記式の質問紙調査を実施した。回答数329名(回収率36.0%)、有効回答数318名(有効回答率34.8%)を分析対象とした。UWES(Utrecht Work Engagement Scale)総得点の基準点に基づき低値207名(65.1%)、普通81名(25.5%)、高値30名(9.4%)に分類された。WE を従属変数、属性、就業内容、職務に関する認識、達成動機、自律性を独立変数とした重回帰分析の結果、達成動機測定尺度総得点、仕事への満足、継続意志、「看護婦の自律性測定尺度」総得点で影響があった。また、WE の下位概念である「活力」「熱意」「没頭」のすべてに「達成動機測定尺度」総得点が影響を示していた。達成動機は自分なりの基準で価値をおいた目標の達成であり、ポジティブな情動に繋がると考えられる。目標に向けて看護師が自らの責任で行動を起こすことは専門職としての自律につながり、WEに影響すると考えられる。看護師のWEに影響を及ぼす「達成動機」「仕事への満足」「継続意志」「自律性」はWE の規定要因である“個人の資源”であり、WE を高める要因であることが示唆された。
著者
升田 由美子
出版者
旭川医科大学
雑誌
旭川医科大学研究フォーラム (ISSN:13460102)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.56-65, 2001-06-30

出版社版中央管理方式の空腸施設のある大学病院8階病棟,7病室の温度,湿度,気流を測定し,同時に患者の意識調査も行なった.平成12年8月7〜11日の5日間の温度は27.1〜28.2度で,南側病室の温度が高く,湿度は50.4〜53.1%,不快指数は73.6〜76.8と快適範囲内にはなかった.性別,年齢に関わらず70〜80%の患者が昼間の病室を暑い・蒸し暑いと感じており,1/3以上が室内環境を快適ではないと回答した.夏期の病室内環境は快適とはいえず,病棟の空調設備の改善,看護者の積極的な働きかけが必要であった