著者
栗山 孝祐 原 善一郎
出版者
システム監査学会
雑誌
システム監査 (ISSN:09147446)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.107-116, 2017 (Released:2023-04-07)
参考文献数
10

2015 年9 月に改正個人情報保護法が成立・公布され、2017 年5 月に全面施行された。個人情報の保有件数の条件が撤廃され、全企業が改正個人情報保護法の適用対象になる。しかし、2017 年3 月時点では改正個人情報保護法への対応が進んでいない状況であった。そこで、システム開発の上流工程の中心である要件定義工程で実施すべきプロセスを研究することにした。本論文では、個人情報保護要件検討シートを作り、改正法への対応漏れを防いだ。実践での使用として、企業2 社の実際の要件定義工程の組織点検に着目し、既存のプロセスに組込みを行った。さらに、組織点検が適切に行われていることを確認するシステム監査で実施すべき10 個のプロセスおよび主な監査項目一覧を具体的に整理した。これから改正個人情報保護法をシステム開発段階で適用される企業の参考になろう。
著者
野中 勉 佐々木 和夫 竹原 善一郎 藤嶋 昭 長 哲郎 杉野目 浩 宇根山 健治
出版者
東京工業大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

次世代の有機電気化学における新しい先端的研究領域の開拓と創造が模索された。前年度における研究成果に基づいて、有機電気化学の新領域は、電極反応の反応場である電極界面に対する新しい概念の構築と展開なしでは開拓できないという基本理念の下で研究が進められた。その結果、電極界面反応場は下記の3つの新しい概念から成り、各々に設計・制御の新しい原理と手法が求められることが検証された。(1)三次元機能修飾電極界面反応場:分子識別機能、選択的吸着・透過・配向機能、不斉機能などをもつ反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて機能発現が実証された。(2)超イオン雰囲気電極界面反応場:溶融塩系、固体電解質系、気相電解系、不均一電解液系、超強酸、超強塩基系、電解発生酸・塩基系、溶解電極系、超疎水性電極系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて反応制御の新しい局面が開かれた。(3)エネルギー照射電極界面反応場:プラズマ系、超音波照射系、光照射系、磁場照射系、超高電位印加系などの反応場が設計され、そこでの有機電極反応の解析を通じて化学エネルギーだけでは生起しない新しい電極反応が開発された。以上により、有機電気化学の新しい研究領域は、電極界面反応場の新しい概念と原理・手法に基づく設計と制御によってもたらされる反応の帰納的、能動的かつ合目的的な超精密制御の追究にあると結論される。