著者
古家 和彦 北川 信 中村 俊一 鈴村 恵太 聖生 守雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.637, pp.103-114, 1999-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
27
被引用文献数
10 8

近年実施された因島大橋や大鳴門橋等の現地調査により, 吊橋ケーブルが腐食していることが発見された. そこで, ケーブル内部の腐食機構を推定するため, 模擬ケーブルおよび実橋ケーブルを用いた腐食環境の調査, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験, 劣化ペースト中の亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験を実施した. その結果, ケーブル内の滞留水がケーブル内部を高湿度化し温度変化の大きい表層部では結露による腐食環境を形成すること, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線は腐食しやすいこと, 劣化した鉛酸カルシウム含有高分子有機鉛ペーストが亜鉛めっき鋼線の腐食を促進する可能性があることを見出した.
著者
北川 信 古家 和彦 中村 俊一 鈴村 恵太
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.672, pp.145-154, 2001-03-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

明石海峡大橋ケーブルの防食方法として, ケーブル内部に乾燥空気を送り込み, 内部水を強制的に排除させる送気乾燥システムを世界で初めて適用した. 本システムの導入に際し, 乾燥空気を送気した小型ケーブル試験体の腐食試験結果を, 送気しなかった試験体と比較することにより, 送気乾燥システムの防食効果を確認した. さらに, ケーブル試験体から除湿された水分を計測することにより, 内部水が除湿されるプロセスを定量的に把握し, 除湿メカニズムを明確にした. また, 湿度および付着塩分が亜鉛メッキ鋼線の腐食におよぼす影響を室内実験により調査し, 送気システムによる亜鉛メッキ鋼線の耐久寿命を推定した. その結果, ケーブル内を相対湿度60%以内に保てば, きわめて長期の耐久性が得られることを見い出した.
著者
古家 和彦 磯江 浩 帆足 博明 平野 茂
出版者
社団法人 日本鋼構造協会
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.10, no.39, pp.131-141, 2003-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

Due to the Geiyo Earthquake in March 24th, 2001, center stay rods of the 1st Kurushimakaikyo Bridge(suspension bridge) were broken. They were designed to break in strong earthquake and work as safety valve of the structure. In order to evaluate the mechanism of the breakage of the rods, data from field measurement were processed using structural analysis, and it was confirmed that the broken rods worked as designed. It also was confirmed that forces acted to other unbroken rods in 2nd and 3rd Kurushimakaikyo Bridges were not large enough to affect their soundness. Through this experience, it was proven that field measurements and structural analysis can be effective tools not only for design but also for maintenance of structures.