- 著者
-
北川 信一郎
- 出版者
- 日本医学教育学会
- 雑誌
- 医学教育 (ISSN:03869644)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.4, pp.227-235, 2013-08-25 (Released:2015-07-06)
- 参考文献数
- 30
目的 : 公衆衛生医師の経験学習に焦点をあて,その熟達化の過程を明らかにする.研究方法 : 10人のExpertを対象に,仮説探索型研究をおこなった.インタビューの分析には,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.結果 : 学生時代では,先輩医師から公衆衛生の重要性を,臨床医時代には,患者との関わりからプライマリ・ケアについて学んでいた.また,公衆衛生医師として,13の経験から11の教訓を学んでいた. 一方,公衆衛生マインドは,自己関連,患者関連,社会関連,組織関連の4つの信念のカテゴリーからなり,特に,社会関連の信念がコアとなっていた.結論 : 特有の経験学習が明らかとなった.熟達論および経験学習の観点から考察した.