著者
赤崎 秀一 峰松 義博 吉塚 直伸 芋川 玄爾
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.41, 1988 (Released:2014-08-08)

皮膚角層の水分保持に重要な働きが示唆されている角質細胞間脂質(SCL)の物理化学的性状及びSCL配合クリームの乾燥落屑皮膚改善効果(角層水分保持機能改善効果)について検討した.その結果,1)SCLはin vitroで多量の水の存在下でラメラ構造(両親媒性物質と水との会合体)を形成することが,偏光顕微鏡観察により確認された.2)SCLの角層水分保持機能改善効果発現に際しては界面活性剤の基剤への添加が必要であり,検討した界面活性剤の中ではグリセリルエーテル(GE)が最も高い改善効果を示した.3)ヒト前腕部からアセトン/エーテル処理で単離したSCLを薄層クロマトグラフィーでコレステロールエステル,遊離脂肪酸,セラミド,糖脂質画分に分け,それをW/Oタイプクリーム(ベースクリーム)に分散させ,これを同処理により生じた乾燥落屑状態の皮膚へ1日/1回,数日間塗布した.その結果各脂質画分配合クリームではいずれも,ベースクリームではほとんど認められない,水分保持機能の有意な上昇を伴う,乾燥落屑状態の有意な改善が認められた.4)セラミドの改善効果を更に確認するために,市販の牛脳由来のセラミドを検討したところヒト角層由来のものと同様な角層水分保持機能改善効果が認められた.SCL配合クリームによるSCLの除去により生じた乾燥性皮膚への改善効果は,角層細胞間においてSCLの膜構造が補強,再構築され,角層の水分保持機能が高まった結果と推察される.またこの際,GEのような特殊な界面活性剤の添加はSCLの角層への浸透性を助け,ラメラ構造の形成を促すものと考えられる.以上より角層水分保持機能に関与する因子として,角質細胞間脂質の重要性か確認され,中でもスフィンゴ脂質(セラミド)の主要な役割が明らかとなった.
著者
佐藤 真由美 森 忍 吉塚 直伸 武馬 吉則
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.125-130, 2004-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
8

女性の顔の形状に関しての美意識は高く, 形状を形づくるものとしては骨格や筋肉, 皮下脂肪が関わっていると考えられる。そこでわれわれは, MRI法 (核磁気共鳴映像法) を用いて女性の顔面における皮下脂肪を計測し, 皮下脂肪の分布と体型との関係について実態解析を行ったので報告する。健常女性38名を, 痩身体型10名・正常体型18名・肥満体型10名に分け, 頭部MRI撮影を行った。撮影条件は, 脂肪を映すのに適したT1強調で撮影した。MRI画像の顔面皮下脂肪面積は, 肥満体型, 正常体型, 痩身体型の順で多かった。さらに, 顔面45ヵ所の皮下脂肪厚を計測した結果, 頬部の鼻側は体型にかかわらず皮下脂肪量が多い部位であったが, 咬筋部と下顎骨部周辺の皮下脂肪量はBMI (Body Mass Index) が高くなるに伴い増大した。すなわち, 体型にかかわらず皮下脂肪が存在する部位と, BMIの増加に伴い蓄積していく部位があることが示唆された。