著者
佐藤 真由美 森 忍 吉塚 直伸 武馬 吉則
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.125-130, 2004-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
8

女性の顔の形状に関しての美意識は高く, 形状を形づくるものとしては骨格や筋肉, 皮下脂肪が関わっていると考えられる。そこでわれわれは, MRI法 (核磁気共鳴映像法) を用いて女性の顔面における皮下脂肪を計測し, 皮下脂肪の分布と体型との関係について実態解析を行ったので報告する。健常女性38名を, 痩身体型10名・正常体型18名・肥満体型10名に分け, 頭部MRI撮影を行った。撮影条件は, 脂肪を映すのに適したT1強調で撮影した。MRI画像の顔面皮下脂肪面積は, 肥満体型, 正常体型, 痩身体型の順で多かった。さらに, 顔面45ヵ所の皮下脂肪厚を計測した結果, 頬部の鼻側は体型にかかわらず皮下脂肪量が多い部位であったが, 咬筋部と下顎骨部周辺の皮下脂肪量はBMI (Body Mass Index) が高くなるに伴い増大した。すなわち, 体型にかかわらず皮下脂肪が存在する部位と, BMIの増加に伴い蓄積していく部位があることが示唆された。
著者
宍戸 悦子 塚原 和枝 藤村 努 森脇 繁 武馬 吉則 川島 眞 芋川 玄爾
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.1, no.5, pp.355-362, 2002

角層保水効果および角層柔軟化効果を有する, アミジノ-L-プロリン (ALP) を配合した処方の, 目尻の小じわに対する改善効果を, ALPのみを除いたプラセボと比較した。健常人女性40名の目尻に5%ALP配合処方もしくはプラセボを1日2回, 6週間塗布し, 塗布開始前と6週間後に比較検討を行った。その結果, しわの写真基準判定において, プラセボ処方群では変化が認められないのに対し, ALP配合処方群では有意な小じわの改善が認められた。またALP配合処方群のみ, 皮膚弾力性と角層水分量の有意な上昇が認められた。以上の結果より5%ALP配合処方は, 目尻の小じわの改善作用を有することが明らかとなった。(皮膚の科学, 1: 355-362, 2002)