著者
佐々木 史郎 吉本 忍 日高 真吾 齋藤 玲子 右代 啓視 宮地 鼓 ベレズニツキー セルゲイ マイコヴァ ナジェージュダ ソコロフ アンドレイ ペルヴァーク ヴィクトリア シャグラノヴァ オリガ プタシェンスキー アンドレイ
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では日本とロシアの博物館に収蔵されているシベリア、極東ロシアの先住諸民族と日本の先住民族アイヌの織機と布製品を調査し、北方寒冷地域における織布技術の分布と布の機能を明らかにしようとした。その成果として、以下の2つの結論を得ることができた。第1には、北方寒冷地域における独自の織布技術と布の分布が、当初の予想に比べてはるかに北に広がり、種類も豊富だったことである。第2には、アイヌの事例が他の北方諸民族と比べると特異で、近代化の波に洗われたのにもかかわらず、独自の織布技術と布を現代まで継承してきた点である。それはそれらが民族アイデンティティと結びついていたからではないかと考えられる。

1 0 0 0 世界の絣

著者
吉岡常雄 吉本忍編
出版者
紫紅社
巻号頁・発行日
1975
著者
吉本 忍 金谷 美和
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、現在アジア、アフリカにおいて民族衣装の素材として広く使用されているプリント更紗が、インドネシアやインドの伝統的染織技法とデザインをもとにして、ヨーロッパの植民地支配を背景にしたグローバルな交易と産業革命による技術革新によって創出され、広く展開してきた歴史的経緯を、サンプル帳を始めとする資料の検討によって実証的に明らかにしたものである。本研究を通して、私たちが経験する伝統工芸の変革と文化の創出の場面におけるグローバル化の功罪などの本質的意義について批判的視座を提示した。