著者
佐々木 史郎 吉本 忍 日高 真吾 齋藤 玲子 右代 啓視 宮地 鼓 ベレズニツキー セルゲイ マイコヴァ ナジェージュダ ソコロフ アンドレイ ペルヴァーク ヴィクトリア シャグラノヴァ オリガ プタシェンスキー アンドレイ
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では日本とロシアの博物館に収蔵されているシベリア、極東ロシアの先住諸民族と日本の先住民族アイヌの織機と布製品を調査し、北方寒冷地域における織布技術の分布と布の機能を明らかにしようとした。その成果として、以下の2つの結論を得ることができた。第1には、北方寒冷地域における独自の織布技術と布の分布が、当初の予想に比べてはるかに北に広がり、種類も豊富だったことである。第2には、アイヌの事例が他の北方諸民族と比べると特異で、近代化の波に洗われたのにもかかわらず、独自の織布技術と布を現代まで継承してきた点である。それはそれらが民族アイデンティティと結びついていたからではないかと考えられる。
著者
園田 直子 日高 真吾 岡山 隆之 大谷 肇 増田 勝彦 青木 睦 近藤 正子 増田 勝彦 青木 睦 金山 正子 関 正純 村本 聡子 森田 恒之 大江 礼三郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

図書・文書資料に適用できる劣化度評価法のうち、ローリングテストはほぼ非破壊で実施でき、通常の物性試験では測定不可能なほど劣化の進んだ紙の劣化度評価に適用できる可能性を持つ。アコースティック・エミッションは最小限の破壊はあるものの、劣化度評価に有効である。極微量のサンプル量を必要とする熱分解分析法は劣化度評価だけでなく、これにより劣化機構の違いが解明できることが示唆された。紙の劣化度を考慮に入れながら強化処理法を検証した結果、セルロース誘導体による強化処理は状態の良い酸性紙に対する予防保存的措置として、ペーパースプリット法は対処療法という位置づけが明確になった。