著者
吉村 徹三
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.604-607, 1990-08-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
15
著者
近江 亮介 安田 宏 伊東 文生 清川 博史 松本 伸行 奥瀬 千晃 中川 将利 吉田 栄作 吉村 徹 清木 元治 越川 直彦
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.125-133, 2019

<p>【<b>背景</b>】血清ラミニンγ2単鎖(Ln-γ2m)測定は臨床的に有用な肝細胞癌(HCC)診断の新規腫瘍マーカーとなる可能性がある。Ln-γ2mがHCCの治療効果判定の指標となるかは明らかでない。そこで肝動脈化学塞栓療法(TACE)前後の血清Ln-γ2m値を測定し,治療効果判定への有用性を検討した。<br/>【<b>方法</b>】2013年1月から2018年2月までに加療したHCC症例28例(男性:19例,女性:9例,平均年齢値:70歳)を対象とした。TACE後1週間〜1ヶ月(中央値7日:4〜25日)に施行された造影computed tomography(CT)画像を用いて,modified RECIST criteriaによりその治療効果を評価した。また,TACE術前と術後7日の血清のLn-γ2m値を化学発光免疫測定法(Chemiluminescent immunoassay: CLIA)で測定し,CT画像による治療効果との比較を行った。<br/>【<b>結果</b>】CT画像による治療効果判定は著効(Complete response:CR)5例,有効(Partial response:PR)11例,不変(Stable disease:SD)5例,進行(Progressiveon disease:PD)7例であった。治療有効例であるCR群とPR群では,CR 3/5例(60%),PR 4/11例(36%)でTACE後に血清Ln-γ2m値が有意に低下した。PR 7/11例(64%)でTACE後に血清Ln-γ2m値が上昇し,CT画像においても3ヶ月以内に腫瘍の増悪が認められた。治療無効群であるSD群とPD群では,SD 5/5例(100%)とPD 6/7例(86%)において,TACE後に血清Ln-γ2m値の有意な上昇を認めた。<br/>【<b>結語</b>】血清Ln-γ2mは,HCCにおけるTACE術後のCT画像による治療効果判定を補完する新たな指標分子となりうる可能性をもつ。</p>
著者
吉村 徹 栗原 達夫 江崎 信芳
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

近年、D-セリンが哺乳動物脳内のNMDAレセプターのアゴニストとして作用することが明らかとなり、動物におけるD-アミノ酸の機能が注目され始めている。また、アメリカザリガニを塩水に馴化させた場合D-アラニンが蓄積することや、D-チロシンなどのD-アミノ酸を高濃度含む培地中では出芽酵母の生育が阻害されることなどが報告され、D-アミノ酸と種々の生物の関わりに興味がもたれている。本研究では、海産性のエビの一種であるブラックタイガーにアラニンラセマーゼを見いだすとともに、同酵素によって生合成されるD-アラニンが、外界の塩濃度上昇に対する浸透圧調整剤として機能する可能性を明らかにした。本研究ではまた、カイコの幼虫、蛹にセリンラセマーゼが存在することを明らかにした。カイコ体内には遊離のD-セリンが存在し、その濃度は変態の時期に高まることから、D-セリンとカイコのdevelopmentの間に何らかの関係があることを示唆した。さらに本研究では、これまでほとんど知られていない分裂酵母でのD-アミノ酸代謝について明らかにし、D-アミノ酸の毒性とその除去の機構について考察した。本研究ではまたスペイン、コンプルテンセ大学のAlvaro M.del pozo博士の協力のもとに、イソギンチャクのアミノ酸ラセマーゼについても検討した。さらにD-アミノ酸と微生物の環境応答の関連を明らかにするため、アメリカ合衆国、オーストラリアの中北部の河川・湖沼において汽水域に生息する微生物のスクリーニングを行った。