- 著者
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吉村 忠与志
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.11, pp.612-618, 1988-11-05
- 被引用文献数
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7
2
複数種の半導体ガスセンサーを集合させたシステムを作り,そのセンサー応答を計測し,それらのデータをパターン認識法を用いて解析することにより,化学物質のにおい識別を試みる研究を進めていく中で,計測データの精度管理は重要な研究ポイントである.本報告において,化学物質のガスに対して多少なりとも選択性を有している市販の半導体ガスセンサーを8種類複合させて用いた場合の同時計測データの精度管理とセンサーの対ガス選択性の向上についてその成果を報告する.センサーシステムの雰囲気条件の設定が重要である.個々の設定条件の中で,化学物質のガスを注入した後(サンプリングごとに)に行うセンサーの洗浄には,エアブラシ法を開発し実用化した.この方法により,ガスセンサーのエアレベル(センシング・ベース)を一定に確保することが可能になり,個々の異種センサーを一定の条件下で同時計測に用いるうえで,有効な再現性を実現することができた.その結果,客観視のむずかしいにおいの識別のために有効なパターンベクトルを得ることができるようになった.