著者
蔵 忍 吉田 淳子 吉永 春馬
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.642-644, 1979-10-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
2

1) 国産品と外国製品の3Hサーベイメータについて汚染材質による検出効率のちがいを比較した結果, ガラス, デコラの表面汚染の検出効率は高く, リノリウムはやや下がり, ベニヤ板やポリエチレンろ紙ではさらに低くてガラスの約2%程度であった。2) 読みとれる計数率すなわち検出効率には両者間で約100倍の差があるが, 読みとり可能な指示値で比較すれば, その検出下限はスポット状汚染で, Aloka2×10-3μCi, Eberline6×10-4μCiであった。これを表面密度に換算すると, Aloka4.4×10-5μCi/cm2, Eberline2.7×10-5μCi/cm2となる。
著者
佐々木 弘 吉永 春馬
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.117-127, 1971-09
被引用文献数
1 3

The fate of HeLa cells irradiated with X-rays and fast neutrons was followed by cine and continual photographic procedures. The following interestings were made through detailed analysis of the films. (1) No differences could be observed between X- and neutron irradiated cells as to the types of cell abnormalities as well as modes of cell disintegration. (2) Cell fusion played an important role in reproductive cell death. Furthermore, cell fusion was observed between cells other than sisters, cousins, aunts or nieces. (3) In the pedigree of cells with colony-forming ability, these was a tendency for both cell death and normal cell division to occur in clusters of closely-related cells.
著者
星 正治 中野 正博 牧 孝 鬼塚 昌彦 長 哲二 上原 周三 小西 圭介 豊原 不可依 名越 智恵子 高本 望 豊島 耕一 吉村 厚 吉永 春馬
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.67-73, 1984-03-01

π-中間子を用いて癌の放射線治療を行う場合に必要な, 照射中に患者の体外がらπ-中間子の停止領域(付与線量のピーク領域)を観測する方法(モニターの方法)を議論した. π-中間子が停止したスターを生成する領域からπ原子X線やχ線,中性子が放出されこれらの放射線は照身中の患者の体外で検出できる. 実験では正常の生体等価物質としての水ファントムを用い, π-中間子の到達深度を変えて照射した. π-中間子による核反応に伴うγ線はNaI検出器と同時計数回路を用いて測定した. こうしたy線測走法は深部線量分布のピークと照射すべき患部が一致していることを確めるのに有効であることが分った. 更に正確に患者の体内での深部線量分布のピークの位置ぎめにこの方法を用いる為には, 多孔コリメーターの付いたシンチレーションカメラなど用いることが有効であることが示唆される.(1983年11月15日受付)
著者
牧 孝 中野 正博 長 哲二 吉村 厚 吉永 春馬 上原 周三 星 正治 名越 千恵子 鬼塚 昌彦 小西 圭介 豊福 不可依 高木 望 豊島 耕一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.221-233, 1983-06-01

体内深部の癌の放射線治療に負パイ(π^-)中間子を使用する利点は, 体表面から患部までの正常組織には低LET放射線で且つ付与する線量は少なく, π^-中間子のrest energy領域での患部にはBragg peak効果とスター形成による高LET放射線で且つ付与する線量は大きく従って治療効果比が大きいと理論的に高く評価される事である. 我国内では物理学的・医学的に治療応用の為の具体的な実験研究は未だ行われていない. 我々は特にπ中間子が正常組織を飛行中のプラトー領域での高LET粒子の発生に注目しその影響を調べた. この論文は第1報として, 国立高エネルギー物理学研究所の12GeV陽子シンクロトロン加速器を用いて発生させた運動量150, 173MeV/cのπ中間子を人体模疑物質ルサイトに照射し, 正・負パイ(π^±)中間子の飛程と捕捉・吸収の後の残存曲線の実験結果を示す. 飛程は理論値とよく一致した. 残存曲線にはπ^+とπ^-中間子では差異が認められた. またピーク・プラトー比は約10対1と予想値よりはるかによい結果を得たことを報告する.(1983年3月7日 受付)
著者
上原 周三 長 哲二 吉村 厚 吉永 春馬
出版者
九州大学
雑誌
九州大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:02862484)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.69-73, 1976-03-10

ここではもっとも普通に使用されている70kVpにおける測定のみを例に挙げたが,筆者らはすでに100kVp以下のそれ以外の管電圧での測定を行っており,100keV以下のX線スペクトルを可能な限り高い精度で測定するという所期の目的をほぼ達成できた。しかしまだいくらかの検討の余地を残している。1.主増幅器におけるパイルアップを減少させるために,0.8μSという短い時定数に設定したが,その結果エネルギー分解能は悪くなった。通常の状態では時定数3.2μSの場合1.4keVなる分解能が得られている。したがって高い計数率のもとで分解能を悪化させずにスペクトル測定を行なうには,短い時定数でも分解能が悪化しないタイムバリアントフィルター増幅器7)がよいと思われる。入射ビームがバンチされているX線の場合,このことはとりわけ重要である。2.この実験では補正の際に効率のみを考慮しているため,とくに効率を正確に求めることが要求される。この点20keV以下の光子の吸収の割合がかなり大きいこと,また13keV以下の検出効率が得られなかったことなど入射窓による吸収の問題が残されている。容易に入手できたという理由で真空槽の入射窓には1mm厚のベリリウムを用いたが,低エネルギー部のスペクトルをより正確に観測するには,もっと薄い0.25mm厚程度1-3)の窓を用いなければならないと考えられる。