著者
吉澤 孝之
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.162-165, 2023-04-28 (Released:2023-04-28)
参考文献数
11

呼吸困難は呼吸器疾患の終末期に最も多く出現しその対応に最も苦慮する症状である.非がん性呼吸器疾患終末期の難治性呼吸困難に対する緩和ケアは基礎疾患に対する標準的治療が最大限おこなわれることが必須条件である.標準的治療が最大限おこなわれてもなお呼吸困難が持続・悪化するようなら症状緩和のための非薬物療法を上乗せする.非薬物療法による緩和ケアをおこなっても症状緩和が困難な場合には,薬物療法としてオピオイドや抗不安薬の使用が考慮される.
著者
赤星 俊樹 吉澤 孝之 岩城 基 村上 正人 高橋 典明 橋本 修
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.215-219, 2009-12-28 (Released:2016-10-07)
参考文献数
11

COPDにおける終末期の定義は,明確に示されていない.一般に,終末期とは「疾患の進行に伴う症状に対して治療は可能であるが,原疾患に対しては治療による効果が期待できない状態」と定義され,およそ余命6ヵ月と予測される時期である.COPDの終末期では,高度な呼吸困難や運動耐容能の低下がみられ,医学的のみならず社会的問題をも含有することが多い.本稿では,こうした諸問題と終末期医療や緩和ケアの重要性について述べたい.