著者
卓 興鋼 吉田 佳督 大森 豊緑
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.254-266, 2011 (Released:2011-08-01)
参考文献数
43
被引用文献数
4 16

近年,わが国においてもエビデンスに基づく医療(EBM)の提供が求められており,その根拠となる学術論文のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの重要性は,ますます高まっている。システマティックレビュー報告は,疾病の診断および予後,予防対策などに広く活用されている。これまでいくつかの研究でシステマティックレビュー報告の質が評価された結果,報告の質は全体的に不十分であった。1996年,メタアナリシス報告の質を向上させるために,国際研究グループが「QUOROM(メタアナリシス報告の質)声明」という指針(guidance)を作成した。さらに,QUOROMの項目等について検討してきた運営委員会は,2009年6月,その改訂版を作成し,「PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)声明」と名づけた。このPRISMA声明では,システマティックレビューの概念および実践面におけるいくつかの発展が見られる。本稿では,著者らがこれまでシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行ってきた経験を踏まえ,PRISMA声明の概要と展望について概説する。
著者
卓 興鋼 吉田 佳督 大森 豊緑
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.254-266, 2011
被引用文献数
16

近年,わが国においてもエビデンスに基づく医療(EBM)の提供が求められており,その根拠となる学術論文のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの重要性は,ますます高まっている。システマティックレビュー報告は,疾病の診断および予後,予防対策などに広く活用されている。これまでいくつかの研究でシステマティックレビュー報告の質が評価された結果,報告の質は全体的に不十分であった。1996年,メタアナリシス報告の質を向上させるために,国際研究グループが「QUOROM(メタアナリシス報告の質)声明」という指針(guidance)を作成した。さらに,QUOROMの項目等について検討してきた運営委員会は,2009年6月,その改訂版を作成し,「PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)声明」と名づけた。このPRISMA声明では,システマティックレビューの概念および実践面におけるいくつかの発展が見られる。本稿では,著者らがこれまでシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行ってきた経験を踏まえ,PRISMA声明の概要と展望について概説する。
著者
吉田 佳督 吉田 康子 元吉 忠寛 齋藤 充生 齋藤 明子 早瀬 隆司
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.126-137, 2013 (Released:2013-05-29)
参考文献数
11
被引用文献数
3 6

Objectives: The purpose of this study was to clarify the gaps in the recognition of medical terms mainly related to medicines between laypeople and medical practitioners in order to contribute to improving risk communication in the medical care field. Method: A total of 315 laypeople and 211 doctors were surveyed. To examine the gaps between them, we adopted 57 medical terms from the National Institute for Japanese Language and further added 33 medical terms. In total, 90 medical terms were used. Results: For the medical terms group into the “Expressed in other words of vernacular speech”, the recognition by the laypeople was low and that estimated by the practitioners was high. For the newly added medical terms groups into the clinical-trial-related terms and medical terms related to side effects, the recognition by the laypeople was lower than that estimated by the practitioners. Moreover, the recognition values for above two groups were smaller than the other groups. Conclusions: The gaps between the basic recognition of the medical terms by laypeople and that estimated by the practitioners suggest that the possibility that patients cannot recognize much more difficult terms should be considered.