著者
吉田 晋弥
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.10, pp.710-718, 2012 (Released:2017-12-15)
参考文献数
20
被引用文献数
3

酒米の醸造適性については酒米研究会による膨大なデータの蓄積があり,これまで気候条件との関係のほかクラスター分析による品種間の類似性などが報告されている。しかし,その遺伝的な背景についてはまったくの手付かずであった。現在,SSRマーカーのDNA多型データを収集し,集団構造解析という新たな手法で遺伝的背景に基づいた集団の分類を行った上で酒米品種群でのコアコレクションの選定が進められている。今後,ゲノムワイド関連分析によりDNAマーカーと形質との相関関係の解析を進ることで,これまで蓄積されてきた酒米の醸造適性に関する遺伝子の解析を大きく進めることができ,酒米育種での選抜効率を飛躍的に高めることが期待される。
著者
廣田 智子 吉田 晋弥 永井 耕介
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.179-187, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2

黒ダイズ‘丹波黒’を用いて,高温での浸漬処理が吸水特性,煮豆の破断特性,官能評価,成分に及ぼす影響について調査し,効率的な煮豆調製法について検討した。浸漬条件は,20℃では1,2,5,10,15,20時間,高温(30℃から80℃までの6温度区)では2時間保持した。2時間の浸漬では,浸漬温度が高くなるにつれて重量増加比は高く,煮豆の破断荷重は低くなり,60℃以上の浸漬温度で平衡状態に達した。溶出固形物量は,70℃以上では顕著に増加した。裂皮率は,標準浸漬条件(20℃,10時間)に比べて,60℃以上の浸漬温度で低く抑えられた。高温での2時間の浸漬条件において,標準浸漬条件と同等の官能評価値及びスクロース,遊離アミノ酸含量が得られる至適浸漬温度は60℃であった。以上のことから,高温での短時間(2時間)の浸漬処理法として,60℃浸漬が利用できると考えられる。この浸漬方法は,浸漬時間の大幅な短縮及び裂皮率の減少が図れることから,煮豆の調理・加工の面においても有用性があると考えられる。
著者
杉本 琢真 吉田 晋弥 相野 公孝 大西 稔治 塩飽 邦子
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.93-96, 2003-05-31 (Released:2012-10-29)
参考文献数
11

Using the agar medium inoculation method, three isolates of Phytophthora sojae were tested for virulence on six cultivars. In about 10 days, they were classified into race A, B or H, respectively. That period was from 14 to 19 days earlier than the conventional flooding inoculation method. Our proposed new method is available for the pathogenic test of Phytophthora sojae.