著者
黒川 昌彦 渡辺 渡 吉田 裕樹
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ウイルス感染症に対して有効な汎用的経口アジュバントの開発を目指して、細胞性免疫を賦活化できる経口抗原を検討し、その免疫賦活化作用を明らかにすることを目的とした。本研究では、主な宿主免疫防御機構が遅延型過敏反応である単純ヘルペスウイルス(HSV)経皮感染マウス用いて、乳酸菌06CC2株やモリンガ葉水エキス(AqMOL)が、これまで報告したプロポリスAF-08と同様に、腸管免疫を介したTh1免疫誘導によりHSV感染マウスの感染病態を軽症化することを明らかにした。したがって、これら3種のサプリメントが、腸管免疫を介して細胞性免疫を賦活化できる汎用的経口アジュバントとして利用できる可能性を示唆した。
著者
中村 誠司 吉田 裕樹 山田 亮
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

癌ペプチドを用いたオーダーメイド免疫療法と早期診断法の開発のためには、癌に対する免疫監視機構やその調節機構を十分に理解しなければならない。本研究では、口腔癌の癌ペプチドの中ではSART-1が最も抗原性が強く、免疫監視機構における中心的役割を果しており、それゆえに口腔癌の治療ならびに診断に応用可能な癌ペプチドであることが判った。しかしその一方で、口腔癌が腫瘍関連抗原であるRCAS1を発現・分泌し、活性化T細胞のアポトーシスを誘導して免疫監視機構を制御していることが判った。免疫監視機構を賦活するためには癌ペプチドを用いるだけでは不十分であり、このRCAS1の作用を制御する必要性が明らかとなった。