著者
吉田 辰夫
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.155-164, 1982-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
4 4

視野の中心部あるいは周辺部を被った状態を実現する装置を構成し, 中心視か周辺視のいずれか一方で図形を観察する実験を行った. 中心視の範囲は視線を中心とする直径が3°の円形の領域と定め, 15°の大きさの図形を自由に眼を動かして観察した.中心視および周辺視のそれぞれの場合について, 視野の制限のない通常の観察条件での見え方とは, 異なった見え方をする図形が存在することを見出した. これらの結果は, 人間の図形認識機構の特徴抽出の部分に, 多層のニューロン回路網を想定したモデルにより一貫した説明の可能であることを示した. このモデルに基づいて, 図形知覚における中心視と周辺視の役割を検討した.
著者
今井 博之 野村 琢家 魚森 謙也 山田 光穂 吉田 辰夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.25-32, 1993-01-22

前後に配置した実視標、およびHDTV偏光二眼式立体ディスプレイにより同位置に呈示された仮想視標を被験者に交互に注視させ、その時の奥行き方向も含めた3次元注視点を測定した結果、両者の奥行き方向の動きに関して違いが見られた。次に3Dおよび2Dの自然動画像を呈示し、被験者が特定の被写体を追跡した際の3次元注視点を測定した。その結果、注視点の奥行き方向の動きに関して、被写体と異なった動きが認められた。また3D、2Dの両者においても違いが見られた。