著者
吉良 いずみ
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.33-42, 2013-08-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
31

本研究の目的は,1日の水分摂取量と排便状態との関連と,水分摂取による排便状態への効果に関する文献レビューを行い,便秘ケアとしての水分摂取のエビデンスを明らかにすることである.文献検索はPubMed, CINAHL,医学中央雑誌web版を使用しconstipation, fluid intake, water intakeをキーワードとした.その結果得られた,成人を対象とした水分摂取量と便秘症状に関連する実態調査7件と,介入評価研究7件についてCooperの統合的文献レビューの方法を参考に分析した. 結果,1日の水分摂取量が500mL以下の場合は排便量を減少させ,便秘症状につながることが示唆された.一方,便秘症状を有する対象に水分摂取を促すことは,対象が脱水傾向にある場合は便秘症状の改善に有効だが,脱水傾向がない場合は水分摂取量の増加による排便状態への効果を裏付ける有効なエビデンスはなかった.
著者
吉良 いずみ
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.90-97, 2012-04-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
75

グリセリン浣腸は,近年実施に伴う有害事象の要因や技術の根拠を問い直す動きがある.日本におけるグリセリン浣腸の研究内容の動向を知り,現状の課題と今後の展望について検討する必要があると考え文献検討を行った.医学中央雑誌 web版 1983~2011年で「 (浣腸 andグリセリン) or (グリセリン浣腸) 」として検索した結果 62文献が得られた.研究内容と年代別の動向を検討したところ,グリセリン浣腸実施場面には「基礎教育における技術演習」「検査前処置」「実験室」「術前処置」「治療」「分娩前処置」「便通調整」「臨床現場」があった.また,有害事象の要因やグリセリンの作用機序に関する研究が進められ,実施方法や看護技術テキストの記載内容,安全な実施方法も継続して検討されていた.グリセリン浣腸は実施の必要性が検討され実施数が減少し他の方法に代替される傾向があるが,安全な実施方法や有用性は早急に提示される必要がある.
著者
細野 恵子 加藤木 真史 吉良 いずみ 菱沼 典子 田中 美智子 井垣 通人 丸山 朱美 加藤 京里
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-80, 2016

本研究は看護師が排便状況を分類・判断する際の基準を明らかにし,臨床で排便状況を分類するためのフローチャートを作成することを目的とした.著者らの先行研究 (加藤ら 2012) で示した排便パターンについて,研究者らは何を指標として分類していたかを振り返り検討したところ,最も優先していたのは便の形状であり,つぎに排便日数,排便量,最後に主観的な感覚または客観的な症状による腹部の張りであった.そこで,先行研究から群別の基準値を設定し,形のない便が2回に1回以上あるか (便形),硬便が4回に1回以上あるか (便形),排便は週に4日以上あるか (排便日数),5回に1回は母指頭大か (排便量),腹部の張り (腹満感) はあるか (主観的・客観的な腹部の張り) という5つの問いから構成されるフローチャートを作成した.フローチャートによって分類される排便パターンは〔良好Ⅰ群〕〔良好Ⅱ群〕〔便秘Ⅰ群〕〔便秘Ⅱ群〕〔便秘Ⅲ群〕〔下痢群〕の6種類になった.
著者
細野 恵子 加藤木 真史 吉良 いずみ 菱沼 典子 田中 美智子 井垣 通人 丸山 朱美 加藤 京里
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-80, 2016

本研究は看護師が排便状況を分類・判断する際の基準を明らかにし,臨床で排便状況を分類するためのフローチャートを作成することを目的とした.著者らの先行研究 (加藤ら 2012) で示した排便パターンについて,研究者らは何を指標として分類していたかを振り返り検討したところ,最も優先していたのは便の形状であり,つぎに排便日数,排便量,最後に主観的な感覚または客観的な症状による腹部の張りであった.そこで,先行研究から群別の基準値を設定し,形のない便が2回に1回以上あるか (便形),硬便が4回に1回以上あるか (便形),排便は週に4日以上あるか (排便日数),5回に1回は母指頭大か (排便量),腹部の張り (腹満感) はあるか (主観的・客観的な腹部の張り) という5つの問いから構成されるフローチャートを作成した.フローチャートによって分類される排便パターンは〔良好Ⅰ群〕〔良好Ⅱ群〕〔便秘Ⅰ群〕〔便秘Ⅱ群〕〔便秘Ⅲ群〕〔下痢群〕の6種類になった.