著者
細野 恵子 岩元 純 Keiko HOSONO Jun IWAMOTO
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 = Bulletin of Nayoro City University (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.15-20, 2008-03-31

本研究は、小児看護に携わる看護師の冷却ジェルシートに関する知識と発熱児への対応の現状および勤務病院による違いを明らかにし、発熱児への看護の妥当性を検討する目的で行った。北海道内の国公立病院の看護師452名を対象に、発熱に関する知識の程度と認識、発熱児への観察および介入方法を自記式質問紙により調査した。解熱効果の期待できない冷却ジェルシートの使用割合は約3割であった。また、大学病院群の方が公立病院群よりも冷却ジェルシートの使用割合は高く、発熱温度に関係のない多用傾向が認められた。冷却ジェルシートの多用傾向の背景には発熱に関する知識の程度や育児経験の関連が示唆された。
著者
加藤 京里 菱沼 典子 田上 恭子 加藤木 真史 細野 恵子 田中 美智子 留畑 寿美江 丸山 朱美 酒井 礼子 井垣 通人 塚本 紀子 野月 千春 加藤 祥子 山崎 好美
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.28-37, 2012-08-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
38
被引用文献数
2

本研究の目的は,4週間の排便記録を通して排便パターンの実態を調査し,排便状態の判断基準を検討することである.20歳以上の男女に4週間にわたり排便ごとに便形 (水様便,泥状便,普通便,硬便),排便量 (母指頭大,手拳大以上と,その中間) について排便記録をつけてもらった. 排便記録は便宜的標本抽出にて224名より回収した.データに不備があるものと疾患による影響が考えられる5名の記録はのぞき,男性50名,女性169名の計219名 (平均年齢38±14歳) を分析対象とした.排便パターンはあらかじめ基準をおかず排便状況が似ているもので分類し,排便日数,回数,便形,排便量から帰納的に各基準を抽出して「問題なし (n=147) 」「便秘 (n=51) 」「下痢 (n=13) 」「下痢と便秘 (n=8) 」と命名した.薬剤の服用者27名をのぞいた192名での分析においては,「便秘」の排便日数は平均3.5日/週であり,同時に便形や排便量も考慮して便秘かどうかが判断されていた.「下痢」は日数や量よりも泥状便,水様便があることが基準になると考えられた.性別では女性が,年齢では「20歳代」に便秘の傾向が認められた.
著者
細野 恵子 市川 正人 上野 美代子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.52-56, 2009-11-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
10
被引用文献数
2

外来で乳幼児の処置に付き添う家族の認識を明らかにすることを目的に、採血あるいは点滴を受ける乳幼児の家族118名を対象に自記式質問紙調査を行った。質問の内容は親が乳幼児を抱きかかえて座位で行う、あるいは幼児自身が椅子に座り親が側に付き添う状態での処置に対する親の認識を確認するもので、量的データは記述統計、質的データは内容分析を行った。その結果、看護師による処置前の説明はわかりやすいと捉えられており、子どもの処置に同席することは親の役割と認識し、子どもと親の安心感も得られていることが示された。座位での処置に対しては、子どもに安心感を与え親自身も安心したいという希望が伺われた。一方、座位での処置を希望する家族は5割弱で、親の抱きかかえによる処置の意図が十分に伝わっていない可能性が推察され、親の意向を尊重する関わりと子どもの権利を守る関わりの意味や重要性を広く知らせていく必要性が示唆された。
著者
細野 恵子 井垣 通人
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.4-9, 2012-01-15 (Released:2016-08-01)
参考文献数
15

蒸気温熱シートによる湿熱加温が健康な若年女性の排尿回数および QOLに与える影響を明らかにする目的で,健康な若年女性 50名を対象に,1日の排尿回数を調査し,排尿回数が 7回/日以上の 15名を対象として,蒸気温熱シートを 3日間 (対照期 3日) 貼付 (腰部適用 7名,下腹部適用 8名 ; 平均貼付時間 9.3 ± 1.9/日) し,排尿回数とQOL,バイタルサインの変化を測定した.その結果,腰部あるいは下腹部への湿熱加温により,排尿回数の有意な減少を認めた.QOL (MOS36-Item Short-Form Health Survey-v2 ; SF-36v2) の変化では有意な改善は認められなかったが,下位尺度「日常役割機能 (精神) において改善傾向が認められた.38~40℃の穏やかな湿熱加温は自律神経活動を刺激し,交感神経活動の抑制あるいは副交感神経活動の亢進を促すことが報告されており,本試験においても湿熱加温による自律神経活動の変化が排尿回数の有意な変化および QOLの改善をもたらす可能性が示唆された.
著者
細野 恵子 堀岡 恒子 久光 雅美 井垣 通人
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.8-13, 2010-08

雑誌掲載版下腹部への長時間の温罨法による、便秘症状の強い高齢入院患者の便通改善の有効性を検討した。寝たきりの高齢患者(平均年齢85±10歳)23名(男性4名、女性19名)を対象に、下腹部への温罨法施行前後の便通状態とバイタルサインの変化を測定した。温罨法には蒸気温熱シート(めぐりズム蒸気温熱パワー、花王)を使用し、1日平均6.7時間を7日間連続貼用した。便通状態の評価には『日本語版便秘評価尺度(CAS-ST版)』4項目と『ブリストル便形スケール』を使用し、温罨法施行前ならびに施行中7日間での排便状態を計測した。また、下剤使用量を比較した。温罨法の施行により、便通状態尺度の有意な改善、7日間の排便回数の有意増加が示された。下腹部への長時間加温による便秘症状の有意な改善効果が確認され、貼付部位・循環器系への悪影響がないことから、高齢入院患者での有効性と安全性が示唆された。
著者
細野 恵子 井垣 通人
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.26-31, 2011-08

雑誌掲載版膝関節に疼痛やこわばり感を自覚する高齢者を対象に、膝関節への蒸気温熱シートによる長時間の湿熱加温の有効性について、膝関節の疼痛やこわばり感に加え、日常生活の変化からその効果を検討した。膝関節に疼痛やこわばり感を自覚しながら自立した日常生活を送る65歳以上の高齢者(平均年齢77±5歳)15名(男性2名、女性13名)を対象に、膝関節への湿熱加温前後の疼痛・こわばり感、日常生活の活動状態、バイタルサインの変化を測定した。温罨法には蒸気温熱シート(めぐりズム蒸気温熱パワー、花王)を使用し、1日平均8.3時間連続貼用した。膝関節の疼痛・こわばり感、日常生活の評価には、日本版膝関節症機能評価尺度(JKOM)を使用し、温罨法介入前後7日間の膝関節の状態を測定した。その結果、膝関節症機能評価尺度の有意な改善が示され、湿熱加温が膝関節痛の緩和に有効であり、疼痛の改善とともに高齢者のADLおよびIADLの向上がはかられ、日常生活の改善というQOL向上につながることが示唆された。
著者
細野 恵子 加藤木 真史 吉良 いずみ 菱沼 典子 田中 美智子 井垣 通人 丸山 朱美 加藤 京里
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-80, 2016

本研究は看護師が排便状況を分類・判断する際の基準を明らかにし,臨床で排便状況を分類するためのフローチャートを作成することを目的とした.著者らの先行研究 (加藤ら 2012) で示した排便パターンについて,研究者らは何を指標として分類していたかを振り返り検討したところ,最も優先していたのは便の形状であり,つぎに排便日数,排便量,最後に主観的な感覚または客観的な症状による腹部の張りであった.そこで,先行研究から群別の基準値を設定し,形のない便が2回に1回以上あるか (便形),硬便が4回に1回以上あるか (便形),排便は週に4日以上あるか (排便日数),5回に1回は母指頭大か (排便量),腹部の張り (腹満感) はあるか (主観的・客観的な腹部の張り) という5つの問いから構成されるフローチャートを作成した.フローチャートによって分類される排便パターンは〔良好Ⅰ群〕〔良好Ⅱ群〕〔便秘Ⅰ群〕〔便秘Ⅱ群〕〔便秘Ⅲ群〕〔下痢群〕の6種類になった.
著者
細野 恵子 加藤木 真史 吉良 いずみ 菱沼 典子 田中 美智子 井垣 通人 丸山 朱美 加藤 京里
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-80, 2016

本研究は看護師が排便状況を分類・判断する際の基準を明らかにし,臨床で排便状況を分類するためのフローチャートを作成することを目的とした.著者らの先行研究 (加藤ら 2012) で示した排便パターンについて,研究者らは何を指標として分類していたかを振り返り検討したところ,最も優先していたのは便の形状であり,つぎに排便日数,排便量,最後に主観的な感覚または客観的な症状による腹部の張りであった.そこで,先行研究から群別の基準値を設定し,形のない便が2回に1回以上あるか (便形),硬便が4回に1回以上あるか (便形),排便は週に4日以上あるか (排便日数),5回に1回は母指頭大か (排便量),腹部の張り (腹満感) はあるか (主観的・客観的な腹部の張り) という5つの問いから構成されるフローチャートを作成した.フローチャートによって分類される排便パターンは〔良好Ⅰ群〕〔良好Ⅱ群〕〔便秘Ⅰ群〕〔便秘Ⅱ群〕〔便秘Ⅲ群〕〔下痢群〕の6種類になった.