著者
村上 恵 吹山 遥香 岩井 律子 酒井 真奈未 吉良 ひとみ MURAKAMI Megumi HUKIYAMA Haruka IWAI Ritsuko SAKAI Manami KIRA Hitomi
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学生活科学 = DWCLA human life and science (ISSN:13451391)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.30-35, 2020-02-20

The purpose of this study was to investigate the effects of water hardness on the physical properties of boiled beef and to clarify whether hard water is suitable for stewed dishes. Using sensory evaluation, we found that beef boiled in hard water(Ca : 300 mg/L)was evaluated more highly than beef boiled in soft water(Ca : 50 mg/L); this was true of both the odor and taste of the beef.When beef was boiled in hard water, the protein on the surface of the beef rapidly solidified, preventing the release of components from the inside even when heated for a long time.These results suggest that hard water is more suitable for beef stew than soft water.
著者
村上 恵 森脇 千陽 梅原 志保 岡田 梨沙 吉良 ひとみ
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.22, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】スパゲティの好ましいゆで状態は「アルデンテ」という言葉が用いられ、スパゲティのおいしさにはその食感が重要視されている。著者らはこれまでに、スパゲティの硬さ及びアルデンテは破断応力と正の相関があり、ゆで水に含まれる金属塩類がスパゲティの硬さに影響を及ぼすことを報告している。そこで、本研究では水に含まれるCaイオンやMgイオンがスパゲティの硬さにどのような影響を与えるかを検討するため、ゆで水にそれらの金属塩類を添加し、検討を行った。【方法】金属塩類としてCaSO4、MgSO4、Na2SO4の3種類を用いた。これらの金属塩類を超純水に添加してゆで水とし、スパゲティをゆでた。スパゲティはイタリア産の直径1.6mmのものを用いた。それぞれのゆで水についてpH測定、温度測定、残渣測定を行った。また、ゆでたスパゲティについては破断測定を行った。【結果】pH測定では、スパゲティを加えず、水のみを加熱した場合ではCaSO4添加水、MgSO4添加水のpHは加熱後の方が有意に低かった。スパゲティを加えて加熱した場合では、Na2SO4添加水のpHは加熱後の方が有意に高く、CaSO4添加水、MgSO4添加水のpHは加熱後の方が有意に低くなった。温度上昇の経過については、各ゆで水間の差は見られなかった。ゆで水中の残渣測定では、CaSO4添加水、MgSO4添加水では見かけ上のゆで溶けは多くなったが、スパゲティ由来の残渣量に差は認められなかった。破断測定によるスパゲティの硬さへの影響はCaSO4>MgSO4>Na2SO4の順となった。Na2SO4によるパスタの硬さへの影響は認められなかった。
著者
村上 恵 吉良 ひとみ 乾 恵理 松本 雄大
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.80, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】水の硬度は地域によって異なり、調理特性に何らかの影響を与えると考えられている。天ぷらではカラッとした軽いテクスチャーの衣が望まれるため、衣の調製は冷水(15℃)を用いて小麦粉をさっくりと混ぜ合わすことでグルテン形成を抑制する必要がある。そこで本研究では天ぷら衣の調製に使用する水に着目した。天ぷら衣の調製に軟水と硬水を用いて衣を揚げ、官能評価および衣の破断強度を測定し、食感に及ぼす影響について検討した。【方法】天ぷら衣として薄力粉60gに15℃の水90mlを加え15回撹拌したバッターを用いた。水は硬度20の軟水と硬度1468の硬水を使用した。この種を鍋に約3gずつ20個投入し、170℃で4分間揚げた。水を加えた直後(放置時間0分)の衣と15分放置した衣を調製し、揚げ上がり10分後の衣4種類を試料とした。これらの衣について、20歳代の大学職員および学生を被験者として7段階評点法、順位法による官能評価を行った。【結果】官能評価の結果、硬水を使用すると放置時間0分、15分共に食感、味、総合評価の評点が軟水を用いた時よりも有意に高く、サクサクした衣に仕上がる事が明らかとなった。順位法より4種類の試料は硬水0分、硬水15分、軟水0分、軟水15分の順で有意に好まれた。また、総合評価とにおい、食感、味の間の評価に正の相関がみられた。破断強度を測定すると、硬水で調整した衣は、軟水よりも破断応力、破断歪率とも低い値を示し、もろく軽い食感であることを示した。従って、衣調製時に硬水を用いると、食感や味が良い衣に仕上がると考えられた。