著者
青山 琢人 胡桃澤 清文 名和 豊春 大和田 仁
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.66-73, 2010

セメントペーストの反射電子像の画像解析から未水和セメント、水酸化カルシウム、粗大空隙の各相の自己相関関数を求め、セメントペーストの3次元イメージモデルの構築を行い、その3次元イメージモデルから塩化物イオンの拡散係数の推定を試みた。その結果、混和材を混入していないセメントペーストでは実測値に対し2分の1程度での推定を行うことができた。また、健全な試料の3次元イメージモデルからCa<sup>2+</sup>の溶脱を考慮し人工劣化試料の塩化物イオンの拡散係数の推定を行った結果、人工劣化試料の実測値に対し同一オーダーでの推定を行うことができた。
著者
サエーンソイ ワラーンカナー 名和 豊春 トウーンカチョーンキット ピパット
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.73, no.631, pp.1433-1441, 2008-09-30 (Released:2009-09-30)
参考文献数
16
被引用文献数
10 22

This study is aimed to elucidate the influence of ambient relative humidity on the compressive strength of fly ash cement paste. The ambient relative humidity has an influence on both the internal relative humidity and the hydration reaction, and further influences the compressive strength development. The experiment results revealed that the compressive strength of paste decreases with a reduction in ambient relative humidity. The same tendency can be found on the internal relative humidity and the hydration reaction as well. The detriment of strength development at low ambient relative humidity is affected by the retardation of the hydration reaction of C2S and C4AF. Moreover, the internal relative humidity at the time of test also has an influence on the compressive strength. The compressive strength decreased with the reduction in the relative humidity below the relative humidity lower than 95%. In addition, the compressive strength can be expressed as a function of the internal relative humidity and the hydrated gel volume derived from the degree of hydration of cement and the degree of pozzolanic reaction of fly ash.
著者
佐藤 努 小暮 敏博 名和 豊春
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、福島第一原子力発電所事故で環境中に放出されたセシウムを固定している粒子を明らかにし、それを基に、土壌の減容化を可能とする分級方法や合理的で安全なセメント固化法について提案することを目的とした。その結果、放射性セシウムを多く吸着している粒子は、複数の鉱物の凝集態、有機物と鉱物の複合体、風化雲母片に大別され、これらは多孔質天然材料である珪藻土、あるいは通常の湿式分級法により分級可能であることが明らかとなった。さらに、固定化されていないセシウムはゼオライトで吸着除去した後に処分することが予想されるが、通常のスラグセメントで浸出性の低い安全な固化体となることが明らかとなった。