著者
名野 隆夫 菊地 修一 岩津 勝彦 西部 栄次 鈴木 琢也 佐々木 義智 伊藤 和男 小林 春夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.352, pp.79-86, 1998-10-23
参考文献数
11

本論文はBSIM3v3SPICEモデルによる、高耐圧MOSデバイスのモデル技術について報告する。標準のSPICEモデルは高耐圧MOSデバイスの電圧依存を持つR_d、R_sに対して高精度なモデルを提供しておらず、電圧-電流特性のシミュレーションと実測値との間に大きな差異を生じる。我々はオリジナルBSIM3v3のパラメータの一部に対して本来とは異なる物理的な意味合いを設定しR_d、R_sの電圧依存を表現する技法を考案した。本技法により得たパラメータによる、高耐圧MOSデバイスの電圧-電流特性のシミュレーションと実測値とは非常に良く一致する。提案モデル技法と高耐圧MOSデバイスの動作原理との関係についても検討を行った。
著者
名野 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.1042-1049, 1998-10-25

MOSデバイスのディープサブミクロン化が急速に進行する近年, 回路シミュレーション用デバイスモデルの精度への要求が高まっている.本稿では, 過去に世界公開されたデバイスモデルと特にBSIM3に焦点を当てた特徴を解説する.BSIM3はデバイスモデルとして高精度であるのみでなく, そのパラメータを用いてデバイスの物理現象の再現把握, デバイス構造の物理値を変更した場合の物理現象変化の予測が可能であり, これらに対して事例をもって解説する.更に三洋電機では全社的にBSIM3を活用しており, その取組み事例を紹介する.