著者
向井 務 村田 英一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2080-2086, 2002-12-01
被引用文献数
25

近年,ユニバーサルアドホックネットワークや,無線アドホックネットワークとして研究されているマルチホップ自律分散無線ネットワークは,インフラを必要とせず自律的にネットワークを形成する技術である.マルチホップ無線ネットワークでは端末間で通信を行うため,送受信端末間の通信距離を短くすることが可能である.そのため,端末が自律的に適切な中継端末と通信チャネルを選択することができれば,周波数繰返し距離が短くなるため周波数利用効率が高いシステムとなりうる.本論文では多数の端末が存在する環境を仮定し,チャネル選択アルゴリズムの提案を行い,マルチホップ無線ネットワークの周波数利用効率と送信電力の検討が行われている.その結果,簡易に算出したセルラネットワークの周波数利用効率,総送信電力特性との比較では大幅な劣化は見られず,マルチホップ自律分散ネットワークの可能性が示されている.