著者
佐方 連 村田 英一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.342, pp.135-142, 2000-10-05
参考文献数
8

近年, 安全・快適・効率的な交通を目的とした高度道路交通システム(ITS)の構築が推進されている.ITSにおける車車間通信は, 各車両が自ら通信制御を行う自律分散システムとなる.この通信方式として複数キャリア周波数を用いた時分割方式を仮定した場合, 周波数及び通信スロットの選択が課題となる.ここで, 車両が同一周波数を使用する車群を形成し車群内において異なる送信スロットを用いるシステムを考える.車両は自律分散的に周波数・送信スロットを選択し, 車群形成する.本稿では車群形成方式として受信電力が大きく且つ使用スロット数の多い周波数を選択する方式を提案する.また, この方式はスロット競合を検出し解決を促すアルゴリズムや車群分割のアルゴリズムも含む.本研究では車両がランダムに周波数・送信スロットを使用した状態からの車群形成特性を計算機シミュレーションにより検討した.検討の結果, 短時間での車群形成での車群形成を実現できることを確認したので報告する.
著者
田中 利樹 村田 英一
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.369-374, 2015-02-25

携帯端末が助け合って混雑を解消する技術の実証に成功 -増大するスマートフォンのデータ通信混雑解消に期待-. 京都大学プレスリリース. 2015-03-03.
著者
篠原 諒 村田 英一 吉田 進 山本 高至 梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.25-28, 2013-02-13

周波数利用効率を向上させる技術として提案されているマルチユーザMIMO伝送を行うシステムをハードウェアで実装し実験的に検討を行っている.屋内環境におけるマルチユーザMIMO伝送実験の研究は報告されているが,屋外環境における伝送実験の報告は少ない.マルチユーザMIMO屋外伝送実験を行うためにUSRP (Universal Software Radio Peripheral)を用いて移動端末を試作した.USRPはソフトウェア無線端末の一種であり,安価に入手可能かつ小型であるため,持ち出しが容易な移動端末が複数台必要なマルチユーザMIMO屋外伝送実験に適している.USRPの制御には汎用OSを搭載したPCと専用のドライバであるUSRP Hardware Driverを用いた.本稿では,移動端末の試作,特に周波数安定性や送受信タイミング管理,EVMにより評価した伝送特性を含む諸特性について述べる.
著者
向井 務 村田 英一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2080-2086, 2002-12-01
被引用文献数
25

近年,ユニバーサルアドホックネットワークや,無線アドホックネットワークとして研究されているマルチホップ自律分散無線ネットワークは,インフラを必要とせず自律的にネットワークを形成する技術である.マルチホップ無線ネットワークでは端末間で通信を行うため,送受信端末間の通信距離を短くすることが可能である.そのため,端末が自律的に適切な中継端末と通信チャネルを選択することができれば,周波数繰返し距離が短くなるため周波数利用効率が高いシステムとなりうる.本論文では多数の端末が存在する環境を仮定し,チャネル選択アルゴリズムの提案を行い,マルチホップ無線ネットワークの周波数利用効率と送信電力の検討が行われている.その結果,簡易に算出したセルラネットワークの周波数利用効率,総送信電力特性との比較では大幅な劣化は見られず,マルチホップ自律分散ネットワークの可能性が示されている.