著者
向所 賢一
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.179-183, 2016-06-25 (Released:2017-08-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

本誌でのプロフェッショナリズム特集において, 武士道が日本人医師のプロフェッショナリズムのモデルとなり得るか否かの論文が掲載され, その後, 岩田論文でこの問題が検討された. 私見では, 日本人医師のプロフェッショナリズムは錦織論文が推奨する武士道そのものではなく, 武士道の基礎となる儒学, 特に孔子の教えにあると考える. 一方, 野村論文にて商人道として紹介された三方よしは, 家族利益主義を基本とするものであり, "利" を追及しない日本人医師のプロフェッショナリズムとは相異なる. "医は仁術" の "仁" について論語を用いて学ぶ事が, 本邦におけるプロフェッショナリズム教育の基盤となると思われる.
著者
浅野 真司 向所 賢一 位田 雅俊
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アクチン結合タンパク質であるエズリンは,細胞内で膜タンパク質と細胞骨格とを有機的に連結して,上皮細胞の頂端膜や神経組織の形態形成に働く。近年になって,エズリンが特定の膜輸送タンパク質や接着分子の細胞表面へのターゲッティングに関わることが明らかにされた。本研究では,エズリン遺伝子を改変したノックダウンマウスなどを用いて,主に動物個体におけるエズリンの上皮組織構築,上皮輸送調節や,神経細胞の突起形成やネットワーク形成における役割を検討した。その結果,エズリンが腎尿細管におけるリンの再吸収や,胆管細胞における胆汁の修飾や流量調節,また神経細胞における突起形成に関わることを見出した。