著者
君野 孝二
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.488-494, 2009-12-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
3

DPC対象病院の拡大により多くの医療機関より莫大なデータが集計・公開されるようになった。その結果、様々な情報の分析が行われ医療機関の間での比較が可能となり、診療の透明性・標準化が進む方向へと展開している。DPCが出来高で行われる診療と異なる点の一つは入院目的が明確であることがあげられる。クリティカルパスも具体的な入院目的に対して作成・運用され、標準化・効率化のために見直しが行われることが要求される。クリティカルパス見直しのツールとしてDPCベンチマーク分析は有用である。
著者
仲宗根 朝紀 君野 孝二 井上 祐一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.67-74, 1996-02-20
被引用文献数
5

1989年から1994年までの6年間で, 気腫性肺嚢胞に隣接した肺癌9例を経験した.肺嚢胞に隣接した腫瘤陰影出現までの追跡期間は, 9例中4例で26ヵ月から98ヵ月であった.4例はBrinkman Index 700以上の重喫煙者であった.術前診断可能例は8例で, 全例に肺葉切除術を施行した.全例腺癌であり, 病理病期はI期6例, II期1例と早期例が多く, 高分化腺癌が5例であった.転帰は, 9例中4例が17ヵ月から69ヵ月生存中であり, 比較的予後良好であった.自験例の結果から, 気腫性肺嚢胞に隣接した肺癌の早期発見には, 胸部CTを併用しての長期の定期的検査が有用であった.また, 陰影出現時には, TBLB, TCBのみならず, 最終的に開胸肺生検まで考慮されるべきと考えられた.気腫性肺嚢胞に隣接した肺癌でも, 治癒切除が可能なら良好な予後が期待できると考えられた.
著者
君野 孝二 仲宗根 朝紀 岸川 正大
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.833-837, 1996-11-15
被引用文献数
2

65歳,男性.甲状線機能亢進症で通院中,胸部X線写真で肺気腫を認める.1992年11月血痰出現し精査施行.胸部CTで2cm大の腫瘤を左下葉に認め,喀痰細胞診でclass Vと診断された.1993年1月18日左下葉切除を施行.同一肺葉内転移を認めpT3N2M0で,組織学的検索では明らかな腺癌と紡錘型細胞増殖からなる肉腫様変化の2要素が共存しており,いずれも間葉系の成分が明確に認められず癌肉腫とは区別され,いわゆる肺癌肉腫と診断された.